岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「わたしの季節」を観る。

2007-10-20 21:03:28 | 社会福祉士
街のセンターで映画を観た。
「わたしの季節」小林茂監督作品である。
第二びわこ学園は、創立40年の節目に新築移転することになった。
その40年間を記録に残せないかという関係者の期待に答えて
作られた映画だ。

第二びわこ学園は重症心身障がい児療育施設である。
その施設で生活を続ける人々の日常を丁寧に追っている。
長い間入院を続け、この施設に移ってきた人も多い。

ここには病院では見ることができない自然の中だ。
青い空も山の緑も琵琶湖も人々もいる。
監督は自らカメラを回す。
近江の自然がとても美しく撮られている。
このことは予想外だ。
このことが、私たちにとって最も大切なことが何か理解させる。
みんな この美しい自然から生まれたのだ。
この大地から生まれたものに差異はない。
差異を作るのは人間のこころだ。

監督は 撮影の前に脳梗塞に倒れる。
搬送されるストレッチャーから眺めた風景が
新たな視点となって画面を構成する。
自身の体験なくして、この映画は出来なかったと言われる所以だ。

映画が始まる前に監督の講演があった。
まことに誠実な人柄に思えた。
その人柄と感性、そして映画力あっての作品だと思う。
機会があればぜひご覧あれ。

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