一度見ただけでは消化できない映画です。
呼び込みは、ケイト・ブランシェットの「名演かつ怪演」というなんとも気になるキャッチです。
ケイト・ブランシェットについてはwikiでどうぞ。
監督はトッド・フィールド
あらすじなどはこちらです。
監督はケイト・ブランシェットの主演なしでは映画をつくらないといっていたそうです。
しかし、ベルリンフィルの常任監督の役など名優といえども容易くできるものではありません。
目の肥えた観客が納得できる指揮ぶりがどんなに困難なものか。
それをやり遂げます。
大画面でとくとご覧あれあれ。
家庭ではとても味わえるものではありません。
ベルリンフィルといえば、世界のオーケストラの最高峰と称されます。
そのフィルの常任監督といえば、フルトベングラー、カラヤン、ラトルなど錚々たる顔ぶれです。
未だ女性監督はいません。
その実在しない女性監督を演じるわけですからね。彼女にとってもすごいチャレンジですね。
世界的なオーケストラの指揮者にはどれだけの権力が集中しているのか。
独裁者と言っていいでしょう。
オケ内の人事などほとんど独断で決めています。
もちろん超絶した能力があることは確かなので判断を間違うことはそうありません。
しかし団員にもプライドがあります、それも特大のプライドが。
(団員には指揮者の評価表も配られています)
歴代の指揮者同様、ターもスキャンダルに巻き込まれていきます。
ターはさらに高みを目指していきますが、陰では反発の芽がどんどん大きくなっています。
そして最後には楽団から追放され、
ベルリンを去りニューヨークの小さな音楽事務所の門をたたきます。
その経過もリアルです。
さらにラストです。
予想外の展開ですが、わたしには爽快なエンディングでした。
映画と音楽は切っても切れない関係ですが、音楽が音響の役割も兼ねて大音響・大迫力 となります。
この辺りも見どころですね。
映画が始まると極小文字で、普通はエンディングで紹介されるキャスト、スタッフその他もろもろのロールが黒バック、白文字で紹介されます。わたしの視力では読める大きさではありません。この始まり方が不思議です。
つらつらと考えてみたのですが、この映画は逆回しで見直してみたらどうだろうかと。
見事なサクセスストーリーが出来上がりそうです。
さまざまな回収されなかった伏線が、活きてくるようにも思います。
やはりもう一度観なくてはなりません。
お読みいただきありがとうございました。
ウクライナに平和を!