『第九条』の公式サイトはこちらです。
岡山市にある陰涼寺の本堂での上映会でした。
観客は20数名でした。
映画のあらすじをサイトから引用します。
20XX年、時の政府は日本国憲法第九条の改正の検討に入った。
国民の意思を聞くため、諮問委員会を様々な職種の20代の若者12人のメンバーで作った。
弁護士で九条破棄派の秋葉(南圭介)、国際ボランティアNPO法人で海外での活動から九条維持派の五井(タモト清嵐)、防衛大学生で九条破棄派の木部(馬場良馬)、ニートで人の意見に流される岩間(聡太郎)等、それぞれの立場で第九条の議論を重ねて行く。
最初は議論する事に疑問視するメンバーであったが、日本国憲法成立の歴史を知り、少しずつ議論を重ねて行き、それぞれが日本の未来を真剣に考え、自分の想いを吐露して行く。
果たして、激しい意見の格闘の末、彼らの出した結論は?日本の運命はどうなるのか?
番組の進行上の都合もあり、数人は憲法の成立過程や日本の安全保障に関しての深い知識があります。
その発言にもバイアスがかかっており、全員の発言そのものが確かなものとは言えません。
ですから、この映画から憲法について学ぶということではありません。
若者が憲法についてどのように考えているか、考えていないかというを観ることになります。
確かなことは、憲法について学校では学んでいないということです。日本史は縄文時代から始まって大正時代辺りで時間切れとなったと。
教えないことも、なにか意図的にも思えますが。
これは、上映後の意見交流会でも話されました。
若者にとって憲法は未知の世界に近いと。
もちろん、このことは若者の責任とは言えません。大人たちの責任の方が大きいでしょう。
戦争を経験してきた世代も自ら話すことも少なく、子供世代も積極的に聞こうとしませんでした。
先週、同じ年代の旧友と話す機会がありましたが、6人中ふたりの親は満州に行っていました。
シベリア抑留者もいました。
しかし、まったく子ども世代に話していません。
話したくないこともあったのでしょうが、話さなければならなかったことです。
真実の歴史を語られなかった子どもたち、そしてその子どもたちが知らないのは当然でしょう。
テレビやネットで話される内容も断片的で限定的です。きちんとした知識にはなりません。
上映後の意見交流会では、自らの意見とことなる意見を冷静に聞くことが難しいと話された方がおられました。
私もそのように感じました。
それはなぜか、日ごろ同じような意見を持つ人々と接する機会が多く、異なる意見を遠ざけているからかもしれません。
そのようなことを考えさせられた映画でした。