岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

今日の後期高齢者医療制度。

2008-05-04 11:13:09 | 社会福祉士
今朝、9時からNHKにて各党の医療・介護の論客による討論があった。
攻める野党に、守る与党といいう構図だ。
この顔ぶれ(自民・大村、公明・福島、民主・山井、共産・小池、社民・阿部、
新党・臼見)の半分は医師ですね。
国会でも、よく登場する人々です。

論点はすでに明らかになっている。
与党は、
この制度は医療費の抑制のため(そこまでは露骨にはいわない)に
必要なものであるが、十分説明ができていなかった。
福田首相は次の年金引き落とし(6月15日)までに説明をきっちりすると
記者会見で発表している)。
多くの方は保険料が安くなっているはずだとも話した。

一方、野党は、
・後期高齢者のみを対象とした医療保険制度は世界中どこにもない。
高齢者に対する差別である。
・政府は社会保障(医療や介護)の哲学がない(思想も)。
・保険料が安くなっているという説明に根拠はない。厚生労働省も把握をして
いないといっている(これは福田首相が調査すると発表したので、与党の
主張は崩れた)。
なぜ、75才以上を別枠にするのかという野党の質問が繰り返されたが、
与党側からは答えがなかった。
・医療保険料は、介護保険料同様に上がり続けるではないか。

最近、新たにわかったことは、
・75才以上の方の中で、3割負担になるケースが予想より多くなりそうだと
いうこと。この方々は半年間の暫定期間が終了するとともに窓口負担が
1割から3割になる。実態は把握できていない。

・厚生労働省が4月から75才以上の方には、ジェネリック医薬品を使うように
通達(表現正確か?)を出したが、後日撤回した。

明確はことは、厚生労働省は医療費を抑制することが至上命令であり
業務であると考えていること(哲学はないのに業務能力だけはすごい)。
与党は制度の細かな部分は官僚任せにしており、今になった説明に苦慮して
いるということ。

とりあえず書いてみました。


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2 コメント

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3年前に議論すべきことだったのでは? (bonn1979)
2008-05-04 20:06:56
NHKの討論をみませんでしたので
この記事を読み
政治の世界の対応とその問題点がよくわかりました。

ヨーロッパの政治との対比で言うと
ここで言われている事柄は
(国民に金銭的な負担を強い、給付を削減するわけですから)
完全に政治が負うべきです。

政治学(あるいは憲法学)の教科書的にいうと
選挙の洗礼を受けてない人(官僚のこと)に
どうしてそのような義務を増やし、権益を減らすような大事なことを委ねられるのだろうか?

ただし、
ロシアとか中国とかをみていると
日本は
そんな欧米のような政治ではなく
いよいよ官僚依存の破滅的なシナリオということすら予想されませんか?

というのは
テレビの道路財源のインタビューで
ある地方の2世議員が
「道路をつくる以外に経済を立て直す方法があるなら教えろ!」と記者氏を怒っているのを見たからです。

そこには
理性的な思考はなく、既得権の擁護と「選良」の傲慢さがあるばかりでした。
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理性的な思考 (岩清水)
2008-05-08 10:38:21
コメントの最後の行の
:理性的な思考はなく既得権の擁護と「選良」の傲慢さ:
についてはいつも考えさせられます。
このような弱点は人間が本質的に持っているものでしょう。
それを理解し、コントロールすることが求められ一定の成果を得ているのが、欧州かもしれません。
この点は日本や中国の大きな課題ですね。
返信する