岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「はだしのゲン」が消えるまで。

2013-08-28 21:35:49 | 戦争を語り継ぐ
どうして、このようなことに(閉架扱い)になったのか経過を知りたかった。
朝日新聞もまとめ的報道をした。

ことは、昨年4~5月、当時市内在住の自営業者が市教委を訪問、ゲンの撤去をひつこく求めたことに始まる。
「在日特権を許さない市民の会」の元幹部が同行、その様子を動画サイトに投稿したという。
そういえばネットで「このやり方がうまくいった」という意味の発言をしている人物がいた。

自営業者というのも、この抗議のために住民票をとったのかもしれない。
戦果をあげたら、おさらばしたのか。

市教委の閉架という対応策が、この抗議に単純に屈したわけではないという。
本当のところはわからないが。

市教委幹部5人が通読し、「いくら戦争を伝えるためでも自分の子どもには見せられない描写だと思った」とある。

5人は議会対策として「閉架」を決定し校長に要請をした。


おかしな話だと思う。

「はだしのゲン」は新刊書ではない。

今まで、多くの児童が読んできた。ショックを受けたが、読んだことはよかったという意見は聞いたことがある。
が、マイナスの影響があったと聞いたことはない。
世界中で読まれている本を、「ほぼ密室で、閉架決定することの意味」を考えたのだろうか。

「閉架」にするということは、見せないということに等しい。

閉架措置後に児童が閲覧を求めることがあったのだろうか。それも知りたい。

朝日新聞では、過激といわれる部分の画も掲載している。
この判断は誤っていない。

中沢啓治さんの妻ミヤヨさんの思いも掲載している。

「私もショックを受け『残酷すぎるのでは』と言いました。主人の答えは『きれいな戦争というのはないんだ。戦争の残酷な実態を知らせなければ、こどもに戦争というもの伝わらない』。」


私の体験は「ユダヤ人虐殺の写真集」だった。
小学校の図書館にあった。
大変な衝撃だった。
いまでもその写真を覚えている。
しかし、写真を見たことがマイナスだと思ったことはない。
私の戦争嫌いはその写真から始まった。

今回の事件も決してマイナスにはならないだろう。
こどもや大人が「はだしのゲン」に興味を持ち読む機会が増えるのなら。

※写真は白馬山荘。


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