
数学に疎い私は、この映画の主人公ラマヌジャンを知りませんでした。
ニュートンと並ぶ天才数学者です。
ラマヌジャンは、インドのマドラス出身。極貧の暮らしです。
数学が好きだったのですが、地元の大学では他の教科をさぼり中途退学でした。
しかし彼の能力は桁外れで、インドでは評価できないくらい。
思い余って英国の大学数校に手紙を送ります。
もちろん無しのつぶて。ほとんど無視されるのですが、ケンブリッジ大学トリニティカレッジのハーディ教授が彼を認めます。
独学の彼は、直観的創造力で数式を見つけていきます。
しかし証明が必要ということが理解できません。
ただ、証明にこだわると創造性が失われるとハーディ教授は思い、彼をサポートします。
指導教官と学生は1対1で論文を書き上げていきます。
彼は1914年に渡英。第一次世界大戦前夜です。
1919年にインドに戻ります。
ですから彼の留学時代はそのまま戦争の時代でもあったわけです。
撮影はトリニティカレッジで行われていますから、雰囲気を楽しめます。
例えば、
校庭の芝生を歩けるのは、フェローとその友人。
学食は、フェローと学生が分かれている。
教会にニュートンの像がある。
実は、数学者の茂木さんが訪問した折のことをブログに書いていますが、まったくそのままです。
ラマヌジャンは権威がのさばるカレッジまるごといじめられます。
また、宗教的採食主義者なので食事に苦労します。
どんどん体調を崩していきます。
彼の研究はどうなるのでしょう。
彼は天才です。
神が与えた才能です。
だから、この映画のタイトルは実は、「神がくれた数式」です。
『奇跡がくれた数式』なんて題名、意味不明でしょ。
これで意味が通じます。
数学者にはとんでもない天才が現れますがまちがいなく彼もその一人です。