今日はミステリー書のお話。いつも民俗学の本ばかり読んでいるわけではありません。
たまにはミステリーも読むのです。
【石持浅海著「扉は閉ざされたまま」】
ミステリー好きの弟からはときどき面白い本が届けられます。ミステリーも数が多いので、行き当たりばったりに手に取ったものを読んでも当たりはずれがありそうです。
何でも手当たり次第に読む事の出来るほど若くもないので、読んで失敗したと思うことは出来れば避けたいものです。
そんなときには、先に読んだ人から「これ、絶対面白いから!」という推薦の言葉があると安心できることでしょう。人の評判を当てにするのは軟弱といわれるかも知れませんが、なにかと忙しい現代人にとってはありがたい情報です。
そんな情報のなかでもミステリーファンの支持を得ているのが「このミステリーがすごい!」シリーズです。これは1988年から、毎年12月の初旬に宝島社から発売される「このミステリーがすごい!」という本で行われるベスト10のことで、通称は「このミス」と呼ばれています。
さすがに「このミス」で上位を占める作品は後世に残る名作揃いと言っても過言ではないでしょう。
さて、そんな「このミス06年版」で堂々の2位にランキングされたのが、表題の、石持浅海著「扉は閉ざされたまま」です。詳伝社のノン・ノベルで定価は税込み880円です。
作品はいわゆる「倒叙もの」と呼ばれる形式で、犯人が誰かを示した上で先に犯行を行うシーンを書き、その後に探偵役がこの犯行のミスを暴いて行き解決に導くというものです。テレビの人気ドラマ、古畑任三郎シリーズなどでもお馴染みの形式ですね。
さて、舞台の設定は久しぶりに開かれた大学の同窓会です。この会場が東京でも最高級住宅街の世田谷区成城にあるお城のようなペンション。
ここで主人公は事故を装った殺人を実行し、密室をつくりあげることに成功します。部屋から出てこない被害者を同僚達が不思議に思いつつも、寝ていると信じ続けます。
さすがに寝ているにしては起きてこない時間が長すぎるということで騒ぎになりましたが、この家の骨董的な価値故にドアを破るということが憚られて、中に突入出来ないという状況が作り上げられます。
この出来事と事故に疑問を抱く後輩の少女との息詰まるやりとり。
犯人には、殺人がばれずに事故に見えるという事以上に、長い間密室にしておく必要がありました。その謎とは一体?
開かない扉を前にして、あくまでも偶然を装う犯人と、偶然のベールを一枚一枚剥がして行く【男女二人】の心理戦が見事に描かれています。
密室、謎解き、心理戦、犯人の動機、そして淡い恋愛感情というもつれなど、おかずも一杯ちりばめられています。
頭を休めるには、一晩の一気読みで丁度良いかも知れませんよ。
たまにはミステリーも読むのです。

【石持浅海著「扉は閉ざされたまま」】
ミステリー好きの弟からはときどき面白い本が届けられます。ミステリーも数が多いので、行き当たりばったりに手に取ったものを読んでも当たりはずれがありそうです。
何でも手当たり次第に読む事の出来るほど若くもないので、読んで失敗したと思うことは出来れば避けたいものです。
そんなときには、先に読んだ人から「これ、絶対面白いから!」という推薦の言葉があると安心できることでしょう。人の評判を当てにするのは軟弱といわれるかも知れませんが、なにかと忙しい現代人にとってはありがたい情報です。
そんな情報のなかでもミステリーファンの支持を得ているのが「このミステリーがすごい!」シリーズです。これは1988年から、毎年12月の初旬に宝島社から発売される「このミステリーがすごい!」という本で行われるベスト10のことで、通称は「このミス」と呼ばれています。
さすがに「このミス」で上位を占める作品は後世に残る名作揃いと言っても過言ではないでしょう。
さて、そんな「このミス06年版」で堂々の2位にランキングされたのが、表題の、石持浅海著「扉は閉ざされたまま」です。詳伝社のノン・ノベルで定価は税込み880円です。
作品はいわゆる「倒叙もの」と呼ばれる形式で、犯人が誰かを示した上で先に犯行を行うシーンを書き、その後に探偵役がこの犯行のミスを暴いて行き解決に導くというものです。テレビの人気ドラマ、古畑任三郎シリーズなどでもお馴染みの形式ですね。
さて、舞台の設定は久しぶりに開かれた大学の同窓会です。この会場が東京でも最高級住宅街の世田谷区成城にあるお城のようなペンション。
ここで主人公は事故を装った殺人を実行し、密室をつくりあげることに成功します。部屋から出てこない被害者を同僚達が不思議に思いつつも、寝ていると信じ続けます。
さすがに寝ているにしては起きてこない時間が長すぎるということで騒ぎになりましたが、この家の骨董的な価値故にドアを破るということが憚られて、中に突入出来ないという状況が作り上げられます。
この出来事と事故に疑問を抱く後輩の少女との息詰まるやりとり。
犯人には、殺人がばれずに事故に見えるという事以上に、長い間密室にしておく必要がありました。その謎とは一体?
開かない扉を前にして、あくまでも偶然を装う犯人と、偶然のベールを一枚一枚剥がして行く【男女二人】の心理戦が見事に描かれています。
密室、謎解き、心理戦、犯人の動機、そして淡い恋愛感情というもつれなど、おかずも一杯ちりばめられています。
頭を休めるには、一晩の一気読みで丁度良いかも知れませんよ。
