北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

よさこいソーラン祭りの先取り変化

2006-05-12 23:57:41 | Weblog
 札幌ではもう桜が散り始めています。本当に桜の花の盛りは一瞬です。

【異業種のパーティ】
 札幌在住の各界の面白い人たちが集まるパーティに誘われて参加してきました。

 この会は年に三回くらい行われて、昨年から参加させてもらっていますが、なかなかの方ととても気さくに話し合えるので喜んで楽しんでいるのです。

 昨日の会ではよさこいソーラン祭りを発案しここまでに仕立て上げた長谷川岳さんにお会いしました。かねてより会ってみたかった人の一人です。

 よさこいソーラン祭りは、好きな人と嫌いな人がはっきり分かれる性質のイベントで、好きな人は観て参加して面白がっているのですが、嫌いな人は「開会中は耳を塞いで寝ています」とさえ言うような両極端なのです。

 私としては確かに「イベント」ではあるけれど「祭」ではないので、なんとかそこに近づける事が出来ないものか、と思っていたのでその疑問をぶつけてみたかったのです。

「長谷川さん、この好き嫌いのはっきりするようなイベントを柔らかなものにするには、本当の祭りに近づけるようなアプローチが必要に思うのです。例えば祭りで優勝したチームだけが神社に感謝の奉納の舞をするというようなアイディアをどのように考えますか」
「そうですね、確かに今のよさこいはカーニバルのようになっているとおもいます。それはちょっと本意ではないのでいろいろに足りないものを補っていきたいとは思っています。しかし神社との関わりは7回目くらいの時に一度試みてみたのですが、例えば北海道神宮の例大祭の時期とはずれがあったりして、なかなかうまくいかなかったというのが正直なところです」

「そうですか、既に試みられているのですね。なんとか融合を図ってみたいものですが」
「私たちなりに足りないものを考えてみました。そうして歴史はない中での北海道の歴史や賑わいなどのノスタルジー、郷愁なのではないか、という考えに至りました。ところが今の音響を大きく発して踊るようなスタイルには郷愁はあまり伺えませんよね」

「確かにそうです。大きな音と踊りのスタイルで気持ちが引いてしまう人は多いと思います」
「はい。そこで私たちは昨年から郡上踊りや北海盆歌のようにやぐらを囲んで輪になって踊る『輪踊り』というスタイルを打ち出しました。今年はその輪踊りのところだけは大きな音を立てないようにして、これまでのスタイルとは一線を画した参加型のものを確立したいと思っているのです」

「なるほど、よさこいも常に変化しているのですね」
「はい、そうです。それに今年は桟敷席も改良を加えています」

「桟敷席ですか?」
「はい、踊りを有料で観てもらうための桟敷席を設けて運営費用に充てているのです。この桟敷席は実は道内では稼働率が悪いために高上がりになるという事から、博多どんたくの業者さんから持ってきてもらっているのです。しかしそれではあくまでも本州の夏仕様で、北海道らしさがないと思いました。そこで、今年は断熱材を敷き詰めることで冬の屋外でも利用出来るようなものを作りました。これが北海道で何度も使われるようになればレンタル料だって下がるんです。こんな北海道の屋外イベントのスタンダードを作れないかなあ、と思っているんです」

 やはり噂通り、爽やかな青年であります。よさこいに対する思いももう少し柔らかく伝わると良いのに。

「ところで、これだけのイベントを大通りを借り切るのに警察とはどのような協議を行ったのですか?」
「はい、それはローラー作戦です。大通りにはここに隣接する地主さんが約2700件あるのですが、その人達すべてから、ここを貸し切りにしても良いよという承諾書をいただいたんです。学生が一番力を発揮出来るのがこういうローラーであり、その有利さを最大限に生かせたと思っています」

「なるほど、そういう地ならしがあったのですね。簡単に警察に『許可してください』と言っても駄目だと思ったのですが、そういう裏付けがあれば警察も動かざるを得ないのでしょうね」
「アンケートをしろ、とかいろいろな条件を付けられましたがそれらをすべて実行して持ち込みましたので、警察も軟化してくれました。最後にはこっそり『高いレベルで頼まれると弱いよ』というようなアドバイスももらえましたよ」

 なるほど、お願い事をするからには先方にも願いを聞くためのセリフと理由を充分に与えなくてはいけないという見本のようです。学生さんの数と行動力がこういうところで効いてくるのですね。
 
 我々も大通りを使うようなイベントの時には見習いたいものです。

    *   *   *   * 

 この会合には芸術家をサポートする企業の女性関係者も来られていて、話が弾んでもう何年も昔に滝野公園にある青少年山の家の土留め擁壁に彫刻を施してもらった藤倉英幸さんの話になり、「あら、藤倉先生なら良く存じ上げていますよ」と言われました。

 藤倉さんは今ではちぎり絵のような独特のトーンの多色刷りの版画でも有名です。是非とも一度お会いしたいものです。

 やはりこういう知らない人の多い会合は楽しいものですね。そうだ、銭函の漁師さんのところへも行かなくちゃ…。
コメント
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