毎年一度行われる、帯広地区国有林野等所在地市町村長有志協議会という会議が釧路市内で開かれました。
これは北海道森林管理局が主催する地域の代表者との懇談会で、現在進めている事業の概要や、来年度予算要求などについて説明をするためのものです。
集まったのは十勝管内、釧根管内の市町村長さん及びその代理の皆さんたちで、当然森林に関してはもっとも関心の高い人たちです。今日は約20人ほどの地域代表が集まっての会合となりました。
北海道は面積約7万8千平方キロですが、このうち3万平方キロが国有林という形で管理されています。
ここから産出される資源を管理したり適切な維持管理を行うのは大変な事業で、当然各地元の林業事業者や森林組合などと適切に連携しながらでなくてはできるものではありません。
そういう意味では普段からの連携が欠かせないのですが、どうしても年に一度一堂に会した形での情報提供という形しか知らないというのも役人の頭の固さかもしれません。
※ ※ ※ ※ ※
さんざん事業の説明などを聞かされたあとは自由な意見討論の場となり、それなりの論客が多いので一気に場はヒートアップです。
ある首長さんからは「地元で産出する木材は優先的に地元の林業者が買えるようにしてほしい」という要望が出されました。
聞く側は、「その点は、公平性の観点から一般入札という手法に依らざるを得ないことをご理解ください」と紋切型の答弁で終わろうとしました。
するとその首長さんは、「そんなのが簡単にできるものではないことくらいわかっています。ただ、そういう型通りのやり方を貫いていたら、地域の林業者は皆潰れていきますよ。そうしたら地域の山を担う人がいなくなるということじゃないですか。全部なんて言いません、でも地域枠を作るくらいのことくらいやれないものかと思う。こういう地域の切実な要望が中央にちゃんと伝わっているのか、とも思います。地域が疲弊している現状を理解したうえで、何ができるのかをちゃんと考えていただきたい」
言葉の言い方は穏やかですが、背負っている者の責任の重さをひしひしと感じます。
※ ※ ※ ※ ※
また別な首長さんからは、「やはりエゾシカ対策について伺わなくてはなりません。先ほどの説明では、『エゾシカの被害について調査研究して、職員の意識を高めるよう努力したい』などと書いてありましたが、この問題が指摘され始めた15年前だったらこんな表現でも許されました。でも今はどうですか?適性頭数10万頭と言われる許容量に対して、63万頭ですよ。母数が増えるということは年間に増える量もどんどん上がっているということです。我々はここ一、二年のうちに本格的な手が打たれない場合はもう戻ることができないくらいの惨状になるという危機感を持っています。それがこんな悠長なことではとても理解できません!」という強い口調での詰問がありました。
私からもつい、「囲い罠で捕獲する試みというようなことも紹介されていますが、捕獲した後はどうしますか。釧路では養鹿牧場をビジネスとしてやっている受け皿がありますが、そうした地域の力との連携だってやらないと、ただ捕まえたってその後始末ができないのではありませんか」と意見を述べました。
まとめ役の町長さんからも、「国有林がエゾシカ捕獲に対して協力的ではない、という感覚を皆持っていることと思います。ハンターが森林に入ることやスノーモービルでの乗り入れなど、やればできることだって関心が薄いような気がしています。そもそも『国有林でのエゾシカ被害はどれだけあるのですか?』とお尋ねしてもそれすら答えが出てきていないのです。もう考えている段階ではなく、行動する段階に来ているということをどうか強く御認識下さい」という訴えがありました。
とにかくエゾシカの被害には森林に接する農家の多くが大きな被害を受けていて、もう災害だ、という声が日増しに大きくなっています。
50年生の立派な樹木でもシカに皮をぺろりと剥かれたらもう死ぬのを待つばかり。国民の財産が毀損されているのに手をこまねいているばかり、と映っているのです。
森林管理局さんも火だるまになった感がありますが、こうした懇談会が開かれて地域の声を聴くというのであれば、是非ともこうした切実な意見を上部機関にも伝えていただいて、早急な対応を取っていただけるよう望みたいところです。
国有林は国民の林であり、国民の宝なのですから。
これは北海道森林管理局が主催する地域の代表者との懇談会で、現在進めている事業の概要や、来年度予算要求などについて説明をするためのものです。
集まったのは十勝管内、釧根管内の市町村長さん及びその代理の皆さんたちで、当然森林に関してはもっとも関心の高い人たちです。今日は約20人ほどの地域代表が集まっての会合となりました。
北海道は面積約7万8千平方キロですが、このうち3万平方キロが国有林という形で管理されています。
ここから産出される資源を管理したり適切な維持管理を行うのは大変な事業で、当然各地元の林業事業者や森林組合などと適切に連携しながらでなくてはできるものではありません。
そういう意味では普段からの連携が欠かせないのですが、どうしても年に一度一堂に会した形での情報提供という形しか知らないというのも役人の頭の固さかもしれません。
※ ※ ※ ※ ※
さんざん事業の説明などを聞かされたあとは自由な意見討論の場となり、それなりの論客が多いので一気に場はヒートアップです。
ある首長さんからは「地元で産出する木材は優先的に地元の林業者が買えるようにしてほしい」という要望が出されました。
聞く側は、「その点は、公平性の観点から一般入札という手法に依らざるを得ないことをご理解ください」と紋切型の答弁で終わろうとしました。
するとその首長さんは、「そんなのが簡単にできるものではないことくらいわかっています。ただ、そういう型通りのやり方を貫いていたら、地域の林業者は皆潰れていきますよ。そうしたら地域の山を担う人がいなくなるということじゃないですか。全部なんて言いません、でも地域枠を作るくらいのことくらいやれないものかと思う。こういう地域の切実な要望が中央にちゃんと伝わっているのか、とも思います。地域が疲弊している現状を理解したうえで、何ができるのかをちゃんと考えていただきたい」
言葉の言い方は穏やかですが、背負っている者の責任の重さをひしひしと感じます。
※ ※ ※ ※ ※
また別な首長さんからは、「やはりエゾシカ対策について伺わなくてはなりません。先ほどの説明では、『エゾシカの被害について調査研究して、職員の意識を高めるよう努力したい』などと書いてありましたが、この問題が指摘され始めた15年前だったらこんな表現でも許されました。でも今はどうですか?適性頭数10万頭と言われる許容量に対して、63万頭ですよ。母数が増えるということは年間に増える量もどんどん上がっているということです。我々はここ一、二年のうちに本格的な手が打たれない場合はもう戻ることができないくらいの惨状になるという危機感を持っています。それがこんな悠長なことではとても理解できません!」という強い口調での詰問がありました。
私からもつい、「囲い罠で捕獲する試みというようなことも紹介されていますが、捕獲した後はどうしますか。釧路では養鹿牧場をビジネスとしてやっている受け皿がありますが、そうした地域の力との連携だってやらないと、ただ捕まえたってその後始末ができないのではありませんか」と意見を述べました。
まとめ役の町長さんからも、「国有林がエゾシカ捕獲に対して協力的ではない、という感覚を皆持っていることと思います。ハンターが森林に入ることやスノーモービルでの乗り入れなど、やればできることだって関心が薄いような気がしています。そもそも『国有林でのエゾシカ被害はどれだけあるのですか?』とお尋ねしてもそれすら答えが出てきていないのです。もう考えている段階ではなく、行動する段階に来ているということをどうか強く御認識下さい」という訴えがありました。
とにかくエゾシカの被害には森林に接する農家の多くが大きな被害を受けていて、もう災害だ、という声が日増しに大きくなっています。
50年生の立派な樹木でもシカに皮をぺろりと剥かれたらもう死ぬのを待つばかり。国民の財産が毀損されているのに手をこまねいているばかり、と映っているのです。
森林管理局さんも火だるまになった感がありますが、こうした懇談会が開かれて地域の声を聴くというのであれば、是非ともこうした切実な意見を上部機関にも伝えていただいて、早急な対応を取っていただけるよう望みたいところです。
国有林は国民の林であり、国民の宝なのですから。