北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

人間関係をつくるスキル

2011-12-15 23:45:50 | Weblog
 釧路公立大学の関係者に会いました。

 学生さんの就職について、就職率などで見ると例年とそれほど変わらない、と言っていましたが、最終的に90%まではもっていきたいなあ、とのこと。

 このご時世に就職率90%とは立派ではありませんか。優秀な学生さんを世に出して欲しいものです。

「就職戦線で最近の特徴的なことは何でしょう?」
「就職活動で学生たちが企業面接を受けると、『どんな勉強をしているの?』よりは、『クラブ活動は何をしているの?』とか、『アルバイトはしている?』ということばかり訊かれるのだそうです」

「それはどういう意味ですか?」
「つまり、勉強をしているのは当たり前として、人間関係を上手に形成できるかどうかを見極めようとしているのだと思います。クラブやアルバイトで自分とは違う人間と接することに慣れているかどうかを知りたいのでしょう」

「なるほど、それじゃあそういう経験がないと突然面接で言われても面食らうでしょうね」
「そうなんです。だからこれからは、1、2年生に対して、そうした人間関係形成の機会をちゃんと持つように指導をしないといけないかな、と思っているところです」

 企業にとっては、採用してからの人間関係形成能力を育てることは難しいと思っているのか、はたまた時間がかかると思っているのか。

 社会人としては確かに大切なことですが。





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 ある学校の校長先生と会った時のこと。

「最近の学校の先生はどういうことが大変だと思いますか?」と訊いてみました。

すると、「そうですね、一つは外から理想論を語る方たちが多いのが参ります。なかなかおっしゃられるようには現場はうまくいかないものですから」とのこと。

「親たちも自分の子供の教育には関心が高いでしょうからね」
「はい、最近の学校の先生の仕事って、三分の一は授業で子供たちを教えることで、三分の一は親の対応、三分の一は地域の対応、じゃあないか、と思っています。親からの電話の応対や、地域での問題解決などは人間関係をいかに上手に形成できるか、ということがポイントになるのですが、実は教員養成課程ではそうしたことが一切教えられないままに教壇に立つ先生が多いのです」

「人間関係を形成するのは練習すればできるスキルだと思いますか?」
「はい、そのことが分かっている方が教えることで養われる技術だと思います。ところがそうした学習項目は大学時代の講義にも全くないのです。教員生活の三分の一は親の対応だというのに、そんなことは学校では教えられないのです。私は教育大学ならば講義の中に、そうしたことを教えられるような単元が必要ではないか、と思い始めています」



 社会に役立つ知識やスキルはできるだけ大学の時に教えておけると良いのですが、個人の個性もあるし、どこまでできるものでしょうか。

 しかし、人間関係を上手に形成できるかどうかが間違いなく、身に着けておくべき大切な素養ということになりつつあるようです。
  
 これもまた勉強なのでしょうね。


コメント
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