NHKの三週連続ドラマ「下町ボブスレー」が終わりました。
もともと東京都大田区での町工場が集まって、冬のオリンピックで使われるボブスレーを製作するという実話がベースの物語。
ドラマのあらすじは、柳田美樹という名の女性が町工場の若者の前に現れて、女子ボブスレーとして出場するためのボブスレー製作がもちかけられ、職人魂に火が着きます。
近隣の若い経営者たちが集まって職人技を持ち寄って二人乗り用ソリが完成します。
物語りの中では、連名の判断として女子ボブスレーは出場しないということになり、主人公の女性の夢が破れるのですが、実際の大田区での取り組みは、出来上がった国産のボブスレーはボブスレー連盟が不採用になり、やはりソチへは行くことはできませんでした。
ボブスレーは日本ではマイナーな競技ですが、氷上のF1と呼ばれ海外ではフェラーリやBMWなど超一流の自動車メーカーが開発・参入する人気のスポーツです。
大田区の町工場の人たちは、腕に自信はあるものの、いつも部品の製作依頼に応えてはいるものの何を作っているか分からない状態が続いたと言います。
一方で、東大阪市では人工衛星の「まいど1号」が宇宙へ行くなど、社会に希望をもたらすような試みがなされていて、大田区としても同じ工業地帯としてのシンボルがなにかないか、ということでたどり着いたのが一品生産であるスポーツの世界だったということです。
カーボンカウルは滋賀県の企業が協力したほか、大田区の町工場を中心に約40社がプロジェクトに参加してソリを作り上げたのだそうです。
昨日はドラマの最終回でしたが、その夜にNHKBSドキュメンタリー「走れ、世界へ 下町ボブスレー」という、ドラマの元になった大田区の取り組みが番組として紹介されていました。
【下町ボブスレー公式ホームページより】
作り上げた初号機は、実際に乗った選手から二十数項目のダメ出しが出され、結果的に採用になりませんでしたが、国内での試合で公式戦デビューを果たしました。
選手の違いもあって、海外のソリを使った日本代表選手のタイムには1秒ほど及びませんでしたが、最高速度では優勝チームを上回る成果を挙げました。
今回のソチオリンピックには間に合いませんでしたが、次回の韓国・平昌(ピョンチャン)五輪での活躍を目指しているとのことです。
日本のモノづくりが底力を示せば、なんだってできる、そんな誇らしさを伝えてくれる良い番組でした。