北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

おまじないが使えた祖父

2016-10-24 23:46:18 | Weblog

 

 もらったフクラギを配るのに実家の両親を訪ねると、なにやら木箱を出してありました。

「これなあに?」
「もうそろそろ昔のものを片づけようと思ってさ。近くの葬儀屋が古い人形のお炊き上げを安くやるって広告が入っていたから頼もうと思ったのよ」

 見るとずいぶん古いお雛様などが和紙に包まれていて並べられています。

「これは?」
「ああ、眠り人形。立てると目を開けて横にすると目を閉じるの」
「古そうだねー」
「私が子供の時のだし、もういいわ。それに爺ちゃんがもらった置物も一緒に出そうと思ってるのよ」

 それは私の祖父、母の父がもらった帆船の置物で、船の船体も帆もすべてホタテの貝殻を加工して手作りで作られたなかなかに立派なものです。

「それって爺ちゃんが"おまじない"で火傷を直してやったお礼にもらったやつでしょ?」
「そうそう、それだわ」

 祖父は火傷に効くおまじないを知っていて、それを唱えながら大火傷をした知人を一晩中看病したところ、火傷の痕一つ残さずに完治したというのです。

「昔のことだからね。薬だってそうなかっただろうし、直れば嬉しかったろうさ。でも本当に効いたっていうんだよね」 
 
 
 何かにつけて、故人や先祖のことは思い出して思い出話をしてあげるとなんとなく嬉しいんじゃないかなあ、と思ってそういうときは話をしてあげます。

 直接会った人はだんだんに少なくなっていきますが、思い出の品は処分しても、思い出話やエピソードだけでも残してあげると良いのじゃないでしょうか。

 目に見えないサムシング・グレートを感じる年齢になってきました。皆さんは使えるおまじないを一つでも知っていますか?

コメント
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