稚内で泊まったホテルの朝食バイキングはなんと朝5時半から始まるとのこと。
「どうしてこんなに朝が早いのですか?」と訊くと「島へ渡るフェリーの一便が6時30分出港ですので、それに合わせています」とのこと。なるほど、まだ季節の名残を惜しむように島へ渡る観光客の方がいるのです。
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我々の方は稚内での要望活動を終えて、昼頃に札幌目指して稚内を出発でしました。
「天気も良いことだし、オロロンラインを走ってみよう」ということで、稚内南駅の横から西へと向かい、日本海側へ出て「夕日が丘パーキング」を見学。好天にも恵まれて、利尻島と礼文島がはっきりと見えました。
利尻・礼文と二つの離島を簡単にくくりますが、この二つの島の成り立ちは全く別物なんだそう。
利尻島が20万年前に始まった火山活動は、8千万年前にはほぼ終息して現在の形を形成して、火山噴出物は海面下80メートルにまであるそうです。
島に降った雨がどうなるかと言うと、不透水層が海面より上にあるのは島の東側だけであるために、湧水があるのも島の北部~北東側だけなのだそう。
しかしこの湧水は「甘い」と評判で、日本名水百選にも選ばれて現在は「リシリア」という名前で販売もされています。超軟水で口当たりも良いので機会があればぜひ飲んでみてください。
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そして利尻島が「水の島」ならば礼文島は「花の島」。
礼文島は1億五千年前から海底が隆起してできた島だと言われています。そして海抜ゼロメートルから高山植物が季節ごとに咲き誇ります。
おまけに隔離されていた期間が長いために「レブンアツモリソウ」「レブンウスユキソウ」のように、この島の固有種が数多く見られることも大きな特徴です。
島は平坦で一番高いところで標高490メートルしかなく、島全体にトレッキングコースがめぐらされています。
近くにいると「いつでも行ける」と思って軽んじがちで、遠く離れた時に「ああ、行っておけばよかった」と嘆くことが実に多いものですが、私は昨年島を訪ねた時にレブンアツモリソウを見ることができたので、とても良い思い出になっています。
およそ性格の異なる二つの島がこうしてすぐ近くにあるというのも不思議ですね。
現地のガイド渡辺さんからは「ブリが釣れていて、季節的にどんどん太ってきていますよ~」という羨ましいネット情報が飛んできています。
豊かさのおすそ分けを頂きに行きたかったね。また来年。