今日は(一社)日本建設機械施工協会北海道支部主催の現場見学会で、現在通行止めが続いている国道274号日勝峠の工事現場を視察させてもらいました。
昨年の北海道は、8月17~23日の一週間に三個の台風が上陸し、特に台風10号が北海道に近づいた30~31日にかけて、日勝峠の高知付近で連続雨量が488ミリという観測史上1位の猛烈な雨が降りました。
そしてこれが下流に下ってくる過程で、河川の流量が増し、水位が上昇し、橋や川の護岸などに甚大な被害をもたらしました。
この雨は極めて局所的で、峠の下ではそれほど強い雨とは思わなかったそうで、いわゆる「線上降水帯」が峠にかかったために起きた水害なのだそうです。
見学ではまず、「道の駅 樹海ロード日高」の近くにある、日勝峠災害復旧インフォメーションセンターへ立ち寄り、被害の全体像を眺めます。
被災箇所は大小合わせて66カ所に及び、橋も三カ所が落橋していて、水の力の恐ろしさが伝わってきます。
現場の職員たちは、被害状況を把握するために、自転車、ヘリコプター、ラフティングとあらゆる移動手段を使って、被害の全体像を捉えましたが、一か月もかかったそうです。
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見学箇所は、千栄(ちさか)集落に近い千呂露(ちろろ)橋。ここでは対面交通可能な仮橋がかけられていて、千呂露橋は現在橋脚の建設中。こちらは仮橋の状態で開通を迎えそうです。
橋の下を流れる沙流川の護岸はこれから管理者である北海道の建設管理局が工事を始めるそうで、工事の無事を祈ります。
さて、先ほどの災害復旧インフォメーションの外には、「R274日勝峠災害復旧関連工事推進協議会」という、この復旧事業に参加したすべての建設会社のチームスタッフの写真が飾られています。
終わればまた解散する名もなき技術者たちですが、その努力にこうした形で光を当てているのは素晴らしく、関わった人たちの誇りに繋がることでしょう。
我々の日常と便利が誰によって支えられているかを顧みる良い機会となりました。
開通日も迫っています。工事の安全を祈ります。