停電をなんとか耐え忍んだ翌日は、島牧村の山奥にある賀老の滝を目指しました。
滝から流れ落ちて日本海にそそぐ千走川(ちはせがわ)は、素晴らしい渓相ですが年間を通じて全ての水産動物を捕獲してはいけない保護水面です。
そんな渓流と終わりの近い紅葉・黄葉を横目に見ながら上流に向かって車を走らせます。
賀老の滝は、途中に急カーブのつづら折りの箇所があって、幅が広く車高も高いキャンピングカーで登れるかどうかとても不安でした。
しかしここまで来たら行けるところまで行ってみようという冒険心も沸き起こっています。
千走川温泉の建物を過ぎて右折をして、橋を渡ると問題のつづら折りになるところまで来てみると…、なんと通行止めの看板が!
残念なことに通行止めになっていました。
すると妻が「そういえばT字路を曲がるところにそんな看板が出ていたような気がする」と言い出すので、すごすごと戻りがてら見てみると、おお、確かに「賀老の滝方面は積雪のため車で行くことはできません」と書かれた看板がありました。
昨日今日の積雪ではなさそうで、前回いつ降った雪なのかわかりませんが、雪が降った時点で通行止めになったのでしょう。
今回の旅の目玉の一つを失って残念です。
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「それじゃあ温泉にでも入ろうか」とガソリンを給油したスタンドで「近くによい温泉がありますかね」と訊くと、「それなら島牧村のはずれにあるモッタ温泉が良いですよ」と教えられ足を延ばすことに。
一日平均150㎞という制限下でのドライブなので、足を延ばすことには不安も感じますが、計算上は大丈夫なはずです。
モッタ海岸温泉は道路から山に向かってすぐの高台にある温泉宿で朝9時から日帰り入浴もできます(大人料金500円)。
我々は朝9時ちょうどに入館して、気さくなお兄さんが対応してくれましたが、一言だけ注意が。
「申し訳ありませんが、源泉かけ流しでお湯が熱いのですが水で埋めないでください。外に露天風呂もあってそちらは少し温いので内湯が熱い場合は外湯にどうぞ」
「そんなに熱いお湯が良いという常連さんがいるんですか?」
「ええ、漁師の方などは冷えた体を温めるのに熱いのを好まれる方が多くて、ぬるいと叱られるんです(笑)」
なにごとも所詮観光客は、地元の皆さんの暮らしの邪魔をしてはいけません。
しかし確かに内湯は熱い! 45度くらいはあるようで、熱いお湯が苦手な私は内湯は無理で外にある露天風呂にしました。
こちらは42度くらいでちょうどよい湯加減です。
しかもこちらは道内でもトップクラスのラジウム温泉だそうで、一定の健康への効果も示されています。
建物は割と新しいのですが、こんな鄙びた温泉で道内指折りのお湯が楽しめるとは思いませんでした。
これも滝への道が通行止めだったからこその出会い旅。
停電もそうですが、我々の失敗も次の方への何かの参考になるかもしれず、旅ではハプニングを楽しむ余裕と気持ちが大事ですね。
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二日目は賀老の滝をあきらめてモッタ温泉に入り、その後は岩内で木田金次郎美術館を楽しみ、余市の港に宿泊。
夜釣り朝釣りでマメイカを狙ってみましたが、こちらはしょぼい結果に終わり残念でした。
旅の総括としては、停電などのトラブルはあったものの担当スタッフは夜の問い合わせにも誠実に対応してくれて悪い印象はありません。
次の利用者が同じ目に合わないように祈りましょう。
ただやはり今回のレンタル会社さんが示した、一日あたり150㎞という距離制限は、利用の自由度と心の余裕が失われる印象でした。
1日150㎞を超えた場合は1キロあたり80円の料金加算が必要ということでしたが、なかには「超えた分は支払うから行かせて」というお客さんもいるとのこと。
ただ問題の本質はペナルティを課すことではなく、無茶な長距離を走ることを抑制してほしいという工夫の産物です。
何かトラブルがあったりすると、次のお客さんへの貸し出しができなくなり楽しみを奪ってしまうというリスクが生じるのが悩みの種なんだそう。
初めて走る北海道を、初めてキャンピングカーを借りて走るというのはやはりいろいろなリスクもあることでしょう。
車体も他のお客さんによってキャンプ場のゲートのバーに引っ掛けてつけられた傷があったりするのですが、その修理に出す余裕もなくレンタルが続いているというキャンピングカー人気。
ビジネスとしてみたらなかなかに大変だなあ、と思うのでした。
使ってみての感想として、正直購入して維持するというのは利用頻度から言って割が合わない感じです。
ごくたまにレンタルで借り受けてプライスレスな時間を過ごすくらいがちょうど良いかな。
皆さんも機会があれば一度くらいは体験してみてください。
おっと、その際にはヘッドライトをお忘れなく(笑)。