その日にキャンピングカーで起きたトラブルとはなにか。
それが発生したのは、弁慶岬の駐車場に到着して居住スペースでくつろいでいたときのことでした。
弁慶岬には夕方5時くらいに到着し、もう暗い中を室内の電気をつけてほのかな明かりの下でワインを飲んで食事をするのはとても良い時間です。
ところが到着から3時間ほどが経った夜8時頃、それは突然やってきました。
突然室内の全ての明かりが消えて真っ暗になりました。そう、「停電」で。
もともと車を借りた時点で後部居住スペースのための主電源はONにして冷蔵庫を使いながら走行をしていましたが、事前の説明では、専用バッテリーがあるので大丈夫とのことでした。
「居住スペースのため専用のバッテリーには、走行中が充電されますし、さらに天井にはソーラーパネルがあるのでそちらからも電力が供給されます。
ドライヤーなどの大容量で使用する場合は限界がありますが、室内のコンセントはトータル1500Wまでは使えますし、キャンプ場のように外部電源があってそこから供給を受けることができればさらに大容量の電気器具も使えます。
まあ普通に使う分には二日くらいは大丈夫ですよ」
そう聞いていたので安心していたのですが突然の停電。
とりあえずは持参していたランタンとヘッドライトで明かりを確保しましたが、原因と対処の仕方がわからないのですぐに担当の女性Kさんに「停電になっちゃいました」と電話をしました。
彼女からは「それは大変ですね。まず、座っている椅子の下にバッテリーが置かれています。椅子のクッションとその下の板をはずしてバッテリーとブレーカーの様子を見ていただけますか?」とのこと。
指示されたとおりに箱を開けるとそこには家で見慣れたようなブレーカーのスイッチがありましたが、それは「入」になっています。
「『入』ですね」
「そうですか、では主電源を入り切りしてみてもらえますか?」
指示通りにすると、一瞬電気がつくもののすぐに消えてしまいます。
「それでは不具合はブレーカーでもヒューズでもないようなので、恐らくバッテリーの電圧低下だと思います。申し訳ありませんが、エンジンをかけて30分ほどアイドリングしてみていただけないでしょうか」
電源が落ちると、ガソリンを燃焼させるボイラーのファンも回らないのでちょっと寒い中、言われたとおりに室内の主電源を落として30分ほどアイドリングをしました。
そしてもういいかな、という頃に恐る恐る主電源を入れてみると…、パッ!
「お~、ついた」
「もしもし、電気が復活しましたよ」
「そうですかそれは良かったです。申し訳ありませんが、しばらくそれで電気を貯めて使ってみていただけませんか」
「仕方がありませんね。それでやってみます」
◆
結局この日は早寝をすることにして、軽く1時間ほどのアイドリングで寝たのですが、翌朝には暖房ファンが電池切れで止まっていました。
車内には電力メーターもあって、それを見る限り電力がゼロになっているわけではないのですが、それでも電気が落ちてしまっています。
この症状は翌日も現れて、フルに150㎞ほど走行したにもかかわらずやはり夜には照明切れ。おまけに二日目はつけてから1時間半ほどで切れました。
私などは、(誰が借りるかわからないキャンピングカーを、常に完璧に整備して維持するのは難しいのだろうなあ)と妙にレンタル会社に同情的に思ってしまうのですが、考えてみたら前の利用者からはその手のクレームがなかったのかな、という疑問も。
お値段が結構良いだけに、このあたりはサービスの品質の問題なのでクレーマー客だったら大変だと思います。
しっかりした対応が求められますねえ。
◆
さて、停電トラブルを乗り越えた翌日の弁慶岬は、朝からホッケを狙う釣り人たちが駐車場に続々と集まっていました。
二日目は、ここから足を延ばして島牧村の山奥にある賀老の滝を目指しました。
久しぶりの滝見と思いきや、ここでも予期せぬ事態に!
続きは次回だー! うむ、引っ張る手法も限界か(笑)