今日から開催される上越での「ゆきみらい」イベントですが、午前中の時間ちょっと抜け出して、小布施の「日本笑顔プロジェクト」さんのを視察してきました。
前日からレンタカーを借りてあって、上越からは高速道路で約70キロほどの距離です。
小布施には「日本笑顔プロジェクト」さんによる「総合公園防災パーク nuove(ノーボ)」が開設されていて、ここでは重機オペレーターを育成して各地に重機とオペレーターを一緒に派遣する「重機ボランティア」のご本尊なのです。
事前にお伺いしたいことを伝えてあって、現地では主催者の林さんが笑顔で出迎えてくれました。
私が着いた時にはちょうど重機(小型特殊)の免許を取られた方が、自分たちでお金を払って、腕を磨く運転練習をしているところでした。
今日は6名の方が来られていて、年代的には私とほぼ同じの60代くらいの方ばかり。
職業も、現役の消防士さんもいれば、もうリタイアして家にいても仕方ないのでここで練習をしている、という方もいたりと多様です。
練習も、指導的立場の人が笛を吹くと三々五々、それぞれ勝手に小型のバックホウに乗り込んで、移動したりアームを動かして穴を掘ったりと勝手に練習しています。
それもそのはず、それぞれができる作業を細かく分けて初級・中級・上級とわけてそれぞれに10項目の作業項目が設定された資格証があるのです。
一回に一つずつ見極めを受けて、合格すればハンコをもらってより高い技術に挑んでいきます。
林さんに伺うと、「重機ボランティアで現地に行ってもらうためには、最低初級の10項目を合格してもらうことが必要です」とのこと。
ただし、災害の現場では、バックホウだけではだめで、同時に解体の技術とチェンソーの技術も求められるといいます。
「なので、ここでは解体の重機も用意してそれも練習できるようになっています」と林さん。
しかも、15分単位の練習では、次の練習の時に乗る重機を変えて練習するのだそう。
「これは、現地へ行ったときに違う重機で戸惑わないようにするためです。また、燃料も各自で入れてもらって慣れてもらうのと、さらにはバックホウのバケットを解体用の部品に交換することも練習してもらいます。
すべて、現地で戸惑って作業ができなくなることのないように、という備えです」
それは重機ボランティアを派遣しよう、と志を立てた初めの時に、重機を貸してくれる企業と、運転資格を持っている人をマッチングさせて現地に送ってみたのだそうですが、そのときは資格を持っていると言いながら実際には現地で使い物にならなかった、という苦い経験があったのだそう。
「普段から練習をしておく、ということがどれだけ大切か身に沁みました」と林さん。
なので、普段から練習できる場がなんとしても欲しかったとのことで、ここでは小布施町の公園に付随する駐車場スペースを町から借りて展開しているのがこのnuovoなのです。
私も解体の免許が欲しくなりました。
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そして見ている限り、皆さん楽しそうに作業をしています。
林さんは、「はじめは、『重機の練習場など作っても誰も来ないから成立しないよ』という方がほとんどでした。でも、実際に動かす練習場を作りたかったのと、実際にやってみて本当に誰も来なければそれでやめれば良いと思いました。
こうやって開設してみると、平日に大の大人が今日も6人来てくれていますよね。興味をもってやってみたいというニーズがあるんです」
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今回の能登の地震でも、ここ小布施から重機ボランティアが何人も現地に赴いたそうです。
その先遣隊は林さん自身が1月3日に現地に入って、どのような機械でどのような技術が求められるかを見極めて、そこから練習を積んでいる人で希望する人をマッチングさせて現地に送っています。
日本笑顔プロジェクトというNPOでは、このシステムをフランチャイズ化してノウハウを提供してそれによる対価をNPOが得るというシステムにしていて、今は長野県や関東を中心に、現地なりのnuovoが増えてきています。
「しかし行政からお金を支援してもらうと、そこではないところを支援しにくくなるというしがらみが生じてしまうことを恐れています。自由度を保ちながら災害からの復旧を支援するという立場を保持したいと思っています」
ここにある重機も、個人が所有しているものをレンタルしていたり、重機メーカーから提供を受けたりといろいろな形があります。
「最近はニュースでも取り上げられるようになり、車体に企業名が入った機械を貸してくれるところが出始めました」
普段から重機の運転を練習できる場があって、地域にそんなオペレーターがたくさんいるところこそ、真に災害に強いまちと言えるのではないでしょうか。
うーん、北海道にもぜひとも欲しいところです。
この記事だけでは書ききれない内容は、後日続報をお届けします。
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