昨日の景観会議を終えて掛川で一泊。今日は車を借りて、一緒に掛川まで来ていたうちの奥さんと共に南信州までドライブです。
南信州の目的は、今は飯田市と合併してしまった旧上村(かみむら)下栗(しもぐり)地区にある下栗の里を訪ねること。なんと言っても一度行ってみたかったのです。
この下栗地区というのは、山の標高800~1000mの南斜面のものすごい傾斜地に張り付いた集落で、「日本のチロル」と呼ばれていますが、斜面地に生きるその風景には訪れる者は皆心を奪われることでしょう。
また斜面の集落景観も奇観で珍しいのですが、地元に伝わる神社の祭である「霜月祭」も非常に珍しい風習を残しており、日本文化の多様な姿を今に残してくれているのです。
今日はこの集落に残る民宿の「みやした」さんに泊めて頂いていろいろと話を伺いました。
※ ※ ※ ※
こちらの民宿のご主人は野牧さんという方で、その昔は旧上村の村会議長までやられた方なのだそう。
この集落は平家の落人という説もありますが、鎌倉武士の家来もいたようで本当の成り立ちのところはよく分からないのだとか。
「なぜ民宿の名前は『みやした』なんですか?」
「それはお宮の下にあるからだね」
なるほど、この建物のすぐ上には拾五社大明神という下栗のお宮があるのです。
このお宮では火の神や水の神に扮した村人が神のお面を被り、拝殿で火をたいて釜でぐらぐらと湧かしたお湯を素手で周りに掛けるという湯立ての神事で五穀豊穣を願ったものです。
実はアニメ「千と千尋の神隠し」の中で表現される神事は、宮崎監督がテレビか何かで見たこの下栗他一体の遠山郷に伝わる「霜月祭」の湯立て神楽が影響を与えているのこと。
しかしながら宮崎監督ご自身は、この神事の風景を映像で見てインスピレーションを得たものの、実際には事前にこの地を訪れたことがなかったのだそう。そこで映画が世に出てから数年後に改めてこちらの民宿を訪れて周辺の雰囲気をご自身で味わったのだということです。
囲炉裏も残る居間の仏壇にはアニメ監督の宮崎駿さんのイラストがありましたが、壁の色紙はその時にご自身で描いて置いて行かれたものだそうです。
やはりこの地に立ってみることで新たなインスピレーションが湧いたのでしょうか。
※ ※ ※ ※
さて、この下栗の斜面集落の風景は有名な写真家によって世に出されたのですが、それはどのあたりなのでしょうか、とご主人に訊いてみました。すると、「これまでは道路から急な山道をくだらないと行けないポイントで、何人か事故で怪我をしてしまったためにその道をつかわなくても行けるような遊歩道をちょうど造ったところさ。明日はその道をたどって見ると良いですよ」とのこと。
なんとこれはラッキーなときに訪れたものです。
明日は朝日を受ける集落の姿を見ようと早起きをすることに決めました。天気も日中降った雨も上がり、明日は晴れが期待出来そうです。
下栗の里の奇観が見られるでしょうか。
南信州の目的は、今は飯田市と合併してしまった旧上村(かみむら)下栗(しもぐり)地区にある下栗の里を訪ねること。なんと言っても一度行ってみたかったのです。
この下栗地区というのは、山の標高800~1000mの南斜面のものすごい傾斜地に張り付いた集落で、「日本のチロル」と呼ばれていますが、斜面地に生きるその風景には訪れる者は皆心を奪われることでしょう。
また斜面の集落景観も奇観で珍しいのですが、地元に伝わる神社の祭である「霜月祭」も非常に珍しい風習を残しており、日本文化の多様な姿を今に残してくれているのです。
今日はこの集落に残る民宿の「みやした」さんに泊めて頂いていろいろと話を伺いました。
※ ※ ※ ※
こちらの民宿のご主人は野牧さんという方で、その昔は旧上村の村会議長までやられた方なのだそう。
この集落は平家の落人という説もありますが、鎌倉武士の家来もいたようで本当の成り立ちのところはよく分からないのだとか。
「なぜ民宿の名前は『みやした』なんですか?」
「それはお宮の下にあるからだね」
なるほど、この建物のすぐ上には拾五社大明神という下栗のお宮があるのです。
このお宮では火の神や水の神に扮した村人が神のお面を被り、拝殿で火をたいて釜でぐらぐらと湧かしたお湯を素手で周りに掛けるという湯立ての神事で五穀豊穣を願ったものです。
実はアニメ「千と千尋の神隠し」の中で表現される神事は、宮崎監督がテレビか何かで見たこの下栗他一体の遠山郷に伝わる「霜月祭」の湯立て神楽が影響を与えているのこと。
しかしながら宮崎監督ご自身は、この神事の風景を映像で見てインスピレーションを得たものの、実際には事前にこの地を訪れたことがなかったのだそう。そこで映画が世に出てから数年後に改めてこちらの民宿を訪れて周辺の雰囲気をご自身で味わったのだということです。
囲炉裏も残る居間の仏壇にはアニメ監督の宮崎駿さんのイラストがありましたが、壁の色紙はその時にご自身で描いて置いて行かれたものだそうです。
やはりこの地に立ってみることで新たなインスピレーションが湧いたのでしょうか。
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さて、この下栗の斜面集落の風景は有名な写真家によって世に出されたのですが、それはどのあたりなのでしょうか、とご主人に訊いてみました。すると、「これまでは道路から急な山道をくだらないと行けないポイントで、何人か事故で怪我をしてしまったためにその道をつかわなくても行けるような遊歩道をちょうど造ったところさ。明日はその道をたどって見ると良いですよ」とのこと。
なんとこれはラッキーなときに訪れたものです。
明日は朝日を受ける集落の姿を見ようと早起きをすることに決めました。天気も日中降った雨も上がり、明日は晴れが期待出来そうです。
下栗の里の奇観が見られるでしょうか。
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