こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『SFマガジン700[海外篇]』山岸真=編

2014-08-03 19:47:31 | 本と雑誌

太陽に住む生物の話、クラークの「遭難者」
平凡な男がTV番組で命をかけるシェクリイの「危険の報酬」
火星で二人の男が対立したことが生んだ悲劇ラリイ・ニーヴンの「ホール・マン」
三遊亭円朝とその連れが体験した文明開化による怪異、ブルース・スターリングの「江戸の花」
テレパシーや共感能力を持つ異星植物とニンゲンのファーストコンタクト、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの「いっしょに生きよう」
輝く疫病から町でただ一人生き残ったイノセンス修道士が、唯一、ダニエル少年に見出した希望、イアン・マクドナルドの「耳を澄まして」
素粒子物理学者の実験装置の故障修理に行き、帰ってこない三人を救出に行った者たちが体験したこと、イーガンの「対称」
科学者の母親が、異星の風習を知るために子どもたちをその星で育てた結果とは、ル・グィンの「孤独」
何も観光資源の無い町に降ってわいたツアーバスの客の目的とその正体、コニー・ウィリスの「ポータルズ・ノンストップ」
悲しき未来の出産風景、バチガルピの「小さき供物」
毎日、肺を入れ替える人々の日常とその未来を描いたテッド・チャンの「息吹」

どれも、とても面白く読めました。
日本人としては、「江戸の花」をひいきにしたいところですね。
ところで、英語で噺家ってどう言うのでしょう?ちょっぴり気になります。

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『百舌鳥魔先生のアトリエ』小林泰三

2014-07-29 19:27:17 | 本と雑誌

妻が始めた芸術の習い事は、絵画でも彫刻でもない、かなりグロテスクなものだった。(表題作)

今更ながら、これってホラー文庫でしたね。
中でも私が一番苦手とするスプラッタが二作品もあって、想像力を80%減にしていても半分で胃が痛くなりました。
それでも読了してしまったのは、それを上回る面白さがあったからでしょう。

とはいえ、ホラーを苦手とする方々は、基本、読まない方がいいと思います。

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『夏葉と宇宙へ三週間』山本弘

2014-07-28 19:38:19 | 本と雑誌

小学6年生の加納新は、夏休みの臨海キャンプの最終日、海で泳いでいるときに隣のクラスの少女・首藤夏葉とともに宇宙船に捕まった。

その宇宙船のコンピュータによると、宇宙船は文明を持った生きた生物(ニンゲン)を主人として乗せなければ宇宙を飛んではいけないようにプログラミングされているそうだ。
そして本来の乗組員が事故で亡くなったため、ともに故郷のガルムイエに戻ってくれるニンゲンを探していたというのだ。

大乗り気の夏葉と慎重派の新。
二人は話し合いの結果、宇宙に三週間の旅にでかけることになる。

新の意見が正論なのですが、夏葉の意見にも一理あります。
この結末は、悩みますね。
もし私が小学6年生のとき体験していたら、どうしたでしょう?
新派だとは思いますが、魅力的な誘いではあります。
みなさんは、どう考えられるでしょう。

児童書ですが、子供のころを思い出しつつ楽しめました。

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『歳月パラパラ』眉村卓

2014-07-27 19:29:09 | 本と雑誌

80歳になられる眉村さんのエッセイ集です。

過去の日常生活やサラリーマン時代のこと、デビュー前後のこと、自らは使えないアイディアの公開、体の衰えについてなどなど、今の眉村さんの様々な思いが書かれています。

面白いというものでは無いかもしれませんが、私の親や私自身がいつかはたどる道として、考えるところがありました。

歳月パラパラ 歳月パラパラ
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発売日:2014-07-11
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『SFマガジン700[国内篇]』大森望編

2014-07-26 20:13:19 | 本と雑誌

言うまでもないかもしれませんが、SFマガジン創刊700号記念アンソロジー集の国内篇です。

放射能で虫一匹いなくなった地球から脱出した数人が、とある惑星に降り立ち体験したものを描いた手塚治虫さんの「緑の果て」
私は多分2001年に載ったものを読んだとみられる実験(?)小説。筒井康隆さんの「上下左右」
頃簿される人類の生き残りの生きるすべを描いた貴志祐介さんの「夜の記憶」
ちょっと奇妙なファーストコンタクトを描いた野尻抱介さんの「素数の呼び声」
鯨の戦いと友情と冒険を描いた秋山瑞人さんの「海原の用心棒」
恋人を宇宙人に奪われた少女の戦いを描いた桜坂洋さんの「さいたまチェーンソー少女」
ある市の男が、時間を逆行することを決意し実行した、その理由と顛末を描いた円城塔さんの「Four Season 3.25」

これらが私の特に好きな作品です。
とはいえ、相変わらず円城さんの作品は、読むのが大変ですね。
あと、桜坂さんのこの作品は好きですが、スプラッタは苦手です。
でも、面白かったです。

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