こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『死なないセレンの昼と夜―世界の終わり、旅する吸血鬼―』早見慎司

2021-10-11 20:02:24 | 読書感想
 
24××年。
世界に突然雨が降らなくなってかれこれ2、3世紀。
海も干上がり、川もほとんどが涸れてしまった。
原因がなんだったのか、誰も知らない。

水不足のため、大規模な発電はできなくなり、文明はほとんど滅び、人々は、わずかな地下水に頼って、残り少ない街や村で生きている。

そんな荒野の続く世界のまっすぐな道を、サイドカーをつけた三輪バイク、いわゆるトライクで渡り、コーヒーの屋台を出しているのがセレン。
設定年齢17歳の少女、吸血鬼だった。

主人公が吸血鬼。
それだけなら普通なので、さほどでもありませんが、各話に出てくる登場人物がとても魅力的でした。

まず、最初に登場したセルゲイがインパクト大です。
大型のタンクローリーの後ろにPA(音響設備)を積んで、爆音でヘビメタを流している気のいいあんちゃん。
まあ、さすがに街中でこれをやられたら頭に来ますが、荒野じゃないですか?
ま、いいかな?と思います。
やっている事の割には素直で、セレンの発言などにも偏見がありませんし。

あと、第三話のお年寄りたちとリヒト、そして第五話の修道女、イルマが特に好きです。

中でもイルマがマシンガンをぶっ放すところ、修道服と機関銃・・・なんて言ったら、早見さんに叱られますかね?

他にも色々とありますが、あまり長々と書くのも読む方が飽きるでしょうしこれくらいで。
とにかく、面白いのでおすすめします。
コメント
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