こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『ヴィクトリア朝英国人の日常生活(上)』ルース・グッドマン

2021-10-21 19:52:22 | 読書感想
 
この本は、文字通り当時の英国人の日常生活やそれにまつわる食べ物や日用品、習慣などが描かれています。

ヴィクトリア朝の英国人が朝目覚めるところから始まるのですが、どんなに裕福な家庭でも、非常時以外は寝室の暖炉に火が付いていず、寒さで震えるようです。
上巻は、朝食を摂って、様々な仕事をするところまでですが、朝食を摂るまででも仕事が多く、過酷だったり衛生上問題があったりします。

いくつか気になったのは、子どもに炭水化物ばかり食べさせていたため、富裕層で肥満はしていたとしても栄養失調だったりした事。
健康のためにと過剰に薄着だったり、辛抱強い性格に育てるためと称してあまり食べさせずにカロリー的にも栄養失調の子どももいたようです。

あと、驚いたのは、乳児を大人しく眠っていさせるためにアヘンチンキを常用したり、知らなかったとはいえとんでもない事をしていたのですね。
もしかして、シャーロック・ホームズの薬物依存は、アヘンチンキに端を発しているのではないかと思ったりしました。

逆に、日本の方が排泄物の処理が進んでいたのでは、という説は、状況によるかもと思えました。
当時のロンドンなどでも、糞尿を肥料として使おうとはしていたようですが、耕作地までの輸送距離の関係で、あまりうまくいかなかっただけのようです。

他にも、過酷な労働環境など、様々な問題があったようで、安易にヴィクトリア朝時代に行きたいとは言えませんねえ。
上巻だけでこれなので下巻でどういう生活が知れるのか、興味深くもあり怖くもあり、といったところです。
コメント
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