こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『花咲小路二丁目の写真館』小路幸也

2022-05-17 20:14:07 | 読書感想
 
学校を卒業したてのフォトグラファーの桂樹里は、花咲小路商店街二丁目の〈久坂写真館〉にカメラマンとして採用された。

ここの社長は若くして四代目を継いだ久坂重さんが写真を撮ろうとしないのは、彼が人間を撮ると例外なく幽霊みたいなものが写るからだという。
試しに彼が樹里の写真を撮ると本当に幽霊が写り、連写してみるとそれが動いているように見えるのに気づいた。
それならばと動画を撮ってみると、なぜか二人して過去にタイムトラベルをしてしまった。

相変わらず花咲小路商店街は色んな不思議な出来事が起きますが、今回はとうとうタイムトラベルまで。
いつもはセイさんがいらっしゃるので黙っていてもミステリ方面にはなりがちですが、SFが加わって、なおさら面白くなっています。
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『世界史で深まるクラシックの名曲』内藤博文

2022-05-14 20:19:49 | 読書感想
 
今では大作曲家として扱われているヨハン・セバスティアン・バッハですが、存命中は当時の文化後進国(と見られていた)ドイツでも田舎の方に生まれていたので評価されず、保護してくれるような時の権力者がいなかったので、不遇な人生だったそうです。

またモーツァルトの晩年が不遇だったのは、彼とその妻の浪費癖もあったけれど「フィガロの結婚」が革命的だったから(曲としても思想的にも)らしいです。

今ではとても有名で、むしろ若者に敬遠されるほど権威の象徴と思われがちなクラシック音楽ですが、歴史を眺めてみると、そうでもないんですよねえ。

ヨーロッパの歴史とともにクラシック音楽の作曲家の人生を追うと、彼らを一人一人知ろうとするよりも、その人生、考え方、彼らをそうならしめた時代背景、逆に世の中へ強く影響しらしめた力などが分かって、生身の人間としてリアルに感じられて面白かったです。

今までぼんやり感じていた人間性がはっきりした事で、ワーグナーは人として許せないな、と思ったりしています(苦笑)ごめんなさい、個人的意見です。
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『楽園ジューシー』坂木司

2022-05-11 20:07:28 | 読書感想
 
日本に生まれ育ち日本語しか話せないが、日本とドイツとロシアに加えて中国系マレーシアのミックスで、外見は残念な多国籍と言われ、子ども時代はいじめられっ子だったザックこと、松田英太は大学1年生。

いじめられっ子だった事が尾を引いて、アルバイトもなるべく人と話さなくていい弁当屋。
ただ、店長にちょっとした病気が見つかり、手術をしなくてはいけないので一月半は店を閉めると言う。

そもそもザックのバイトの理由は、そのいじめられっ子仲間との約束、大人になったら3人で沖縄に旅行に行くという事のための旅費を貯めるためなのだ。
それがこのバイト先のパート従業員、加藤さんの策略にはまり、沖縄のホテルが飛行機代まで出して募集しているアルバイトに応募してしまい、採用されてしまったのだ。

いじめの原因の一つが外見だった事もあり、接客業は苦手なんだけど・・・。
当のホテルジューシーに着いてからも、今、人を呼ばなければ逃げられると、とことん後ろ向き。
ただ、偶然にもある事で驚いて呼び鈴を押してしまい、やらざるを得なくなる。
また、このホテルのオーナー代理は昼寝ばかりして、やる気の無いところが心配でもあった。

さらにやって来る宿泊客も異色というか、独特で、犯罪者か?と思う事もあった。
それら宿泊客と個性的な従業員と接するうちに、ザックはたくさんの社会勉強をし、自分自身の素晴らしいところと、足りないところにも気づかされる。

私もいじめられっ子だった事もあり、ザックに共感しつつも、終盤のユージーンや、ゴーさん、アマタツの言う事も分かります。
きっとザックは、自分から逃げている事もあるのでしょうが、バイトしつつもまだまだ大学生で実社会にもまれていない分、彼らよりも未熟なんでしょう。
大丈夫、すぐ、追いつきます。
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映画『My New York Diary』

2022-05-09 20:20:35 | 映画
90年代のニューヨーク。
作家志望のジョアンナが、老舗出版エージェンシーでサリンジャーを担当しているボス・マーガレットの助手として働き始める。
初めはテープ起こしと、サリンジャーへのファンレターを読んで定型文の返事をタイプで打って送る事。
なかなかプロの作家の原稿を読ませてもらえず、自分の文章の未熟さも指摘される。

ただファンレターを読むうちに、彼らの文章に刺激されたり、たまたまボス不在時に受けたサリンジャーからの電話をきっかけにアドバイスをもらえるようになったりと、刺激も受ける。

プライベートでも、作家志望の若者が集まるバーやレストランで刺激を受け、新しい恋人に出逢い、同棲を始める。
しかし、こちらに来る前にいた大学のあるバークレーにも恋人がいたのだが、なかなか別れを告げる事が出来ない。

ジョアンナは、どういう道を歩んでいくのか。

なんだろうなあ、ジョアンナの心と生活の余裕がうらやましいかな?
別に作家になりたいわけでもなく、都会で遊び暮らしたいわけでもないのですが、ある意味、若さの余裕もあるのでしょうか?
もちろん、彼らの中では必死に生きている部分が大きいのかもしれません。

あと、私としてはファッションが素敵だなというのはありました。
最後に、この年になってもサリンジャーって面白いのでしょうか?未読なんですよねえ。
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コミックス『デジタル原始人☆川原泉』川原泉

2022-05-07 19:48:09 | アニメ・コミック・ゲーム
 
前回のコミックスが出てからずいぶんご無沙汰だった川原さん。

そのコミックスで、右手首を骨折なさったと伺ってはいましたが、完治してからもアナログで描くには少し違和感があるからと、デジタルに移行しようと頑張っておられたようです。

そして今回は、同期デビューの福田素子さんの力もお借りしてのデジタル制作への悪戦苦闘の道のりを、コミックス化なさったみたいです。
元々デジタルは苦手な方らしく、コミックス化なさったのはめでたいけど、読んでいて一抹の不安が・・・(^^;)
とはいえ、デジタル初心者の頃の気持ちを思い出させる、懐かしくも赤面ものの流れでした。

あと、ラスタレイヤーとベクターレイヤーの擬人化は楽しかったですし、川原さんご自身が火星人化なさっているのも面白かったです。
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