星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

掌の中の風

2005-12-27 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
EVE、、の日だったかな、、?
たまたまつけたTVでChristmas Treeの歴史、というのをやっていた。

19世紀、英国ヴィクトリア女王と結婚したアルバート公が、ツリーの風習の無かった英国に、ザクセンでの子供時代を思い出して持ち込んだ、とのこと。ドイツでは最初、ツリーにパンや砂糖菓子の飾りをしていたのが、小村の冬場の手工業として木製の玩具や、色付けしたガラス玉が作られるようになり、やや裕福になった市民階級の間に、いっきにツリーの風習が広まったのだそう。
途中ちょっと見ていなかったけど、たぶん米国にはドイツ移民から持ち込まれたのでしょうね。。クリスマスツリーの歴史も、まだ200年足らずのものなのですね。

富裕とは無縁だった我が家だけど、当時としては珍しいほどの飾りを父はしてくれた。庭木(たぶん杉?)を切ったツリーに電飾、天井には金モールとガラス玉、そしてクリスマスソングのレコード。。(その代わり、何か豪華なものを食べたという記憶はまるで無い、、)
アルバート公ではないけど、、ひとつひとつ飾りを下げたり、色紙で鎖を作ったり、、そういう子供時代に楽しかったことって、意味は無くても何故だか気持ちがそれを求めてしまいます。さすがに今は天井から金モールはしませんけど、、。(パパは天井に手が届いたから飾り付けがラクだったのね、、笑)

 ***

なぜだか、、、EVE、、に古本屋にいた私。
先日『ルバイヤート』というCDの事を書きましたが(>>)、その詩集や、岩波文庫何点か、みな百円で購入。(ちなみに店内ではTYMのmy winding roadが爆音でかかっておりました)

    天国にはそんなに美しい天女がいるのか?
    酒の泉や蜜の池があふれてるというのか?
    この世の恋と美酒(うまざけ)を選んだわれらに、
    天国もやっぱりそんなものにすぎないのか?
                        (88)

と、こんな風ににやりとさせられる詩もありました。「宗教的束縛から人間性を解放」すること(解説より)、、そういう詩篇と、POP/ROCK文化の共通性を見たのでしょうね、エレクトラは。

これが好き、です。。

    ないものにも掌の中の風があり、
    あるものには崩壊と不足しかない。
    ないかと思えば、すべてのものがあり、
    あるかと見れば、すべてのものがない。
                    (106)