星のひとかけ

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終戦の日に。

2006-08-16 | アートにまつわるあれこれ
本郷新記念 札幌彫刻美術館 という所へ行ってきました。

今回の旅、何の計画も目的も無く、
唯、ホテルと航空券だけ予約して出かけた旅でした。
向うでも、朝起きて「きょうは何処へ行こうか」と。

この美術館へ立ち寄ったのは最終日でした。駅かどこかに置いてあったFreeペーパーに載っていて、もともと彫刻作品を見るのは好きだし、この春行きたかった西洋美術館での「ロダンとカリエール」展は見逃してしまいましたし、、。

はからずも終戦記念日。朝、ホテルのTVでは靖国神社がずっと映し出されていました。「終戦の日」ということばは、、年齢をかさねていく自分にとって、次第に以前とはちがう重さを持つことばになっていきます。国が戦いをやめた日、ではあるものの、、多くの人にとっては、それが戦いの始まった日でもあったのだから。。北方での話、南方での話、、子どもの頃からぽつぽつと聞いてきた、おじやおばの話は、、、決して全てが語られることはない、、。それに気づいたのは、、戦後50年以上も経ってからなのです。

「無辜の民」というシリーズ作品の展示がされていました。70年代の作品にもかかわらず、今の中東の状況が胸に迫ってつらくなります。本郷新という作家は、非常に多作で、活動も彫刻に留まらず、油彩、版画などほんとうに数多く、したがって、作品の印象もそれぞれにまったく異なってきます。だから、全般を通じて、好きな作家、という風には思えないけれど、「戦争」をテーマにしたこの人の作品には、特別な姿勢が感じられるように思えます。訴える強さが違う。その訴えには惹きつけられるものがあります。

石狩の浜に設置されている「石狩―無辜の民」は、今回初めて知りました。先に知っていたら、石狩まで足を伸ばしても良かったな、と思ったのでした(この旅、あまりに天候が良く、岬めぐりならぬ、浜めぐりも美しかっただろうと、、)。

本郷新記念 札幌彫刻美術館>>

本郷新と無辜の民(むこのたみ)>>(上の写真はこちらのページからです)