星のひとかけ

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3月になりました…:ウクライナの作家アンドレイ・クルコフさん『ペンギンの憂鬱』

2022-03-01 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
・・・たった数日のあいだに 世界が目まぐるしく動いてくらくらしている。。

突然の軍事侵攻に憤り 戦下の人々を心配し、、 そのことに変わりはないけれど、、 欧州各国からの武器供与、 ウクライナのEUへの加盟申請、 スウェーデン、フィンランドもNATO加盟を協議… と ヨーロッパじゅうの安全保障の問題になってきている、、 こんな急速に状況が動くなんて思っていなかった、、

それにしても 小国ウクライナ政府の素早さには驚きというか、 感嘆すらしてしまう。 サイバー攻撃を受ければスペースXに助けを求め、 どの国も助けに来てくれないとなれば世界中に義勇兵を募る。 大使館もどんどん情報発信をして募金も人も支援もつのって世界の眼をウクライナへ向けている。。 考えられることはすべてやる、という姿勢。 この動きの速さがなかったら キエフはここまで持ちこたえていないかもしれない。

、、でも この目まぐるしい各国の動きが 戦火をとめられるのか逆に相手の怒りを煽り立てる結果になるのか、、 私にはぜんぜんわからない。。 


 ***

午後のBBCで ウクライナの作家 アンドレイ・クルコフさんにインタビューをしていた。 音声だけ聴いていて、、「ペンギンの…」と聞こえてきて それで、あれ?と思った。 
『ペンギンの憂鬱』(新潮クレストブックス)の著者のアンドレイ・クルコフさんの事だった。

『ペンギンの憂鬱』はもうずいぶん前に読んだので、 著者がウクライナのかただというのを覚えていなくて、 ソ連が崩壊したあとの・・・(どこだっけ?) という感じで、 物語の舞台がキエフ だというのもうろ覚えだった。 アパートでペンギンと同居する物書きの青年の話、、 ペンギンと凍った湖に行ったり、、 すごく可愛く書かれているけれど 不穏な物事に巻き込まれていく、、 そんな話だった。。
 
アンドレイ・クルコフさんは ロシア語で小説を書く、ウクライナの作家さんなのだった。 、、ほんと こういう認識が甘くて反省する、、。 ソ連時代の地図に含まれていた地域を今でも ロシアの一部のように思ってしまったり、 ロシア文学の翻訳家のかたが訳されていれば それだけでロシア文学だと思ってしまう。。

BBCのキャスターも クルコフさんに、 あなたはロシア語で小説を書きつづけているのは何故か? 親ロシア派をどう思っているか? というような随分きびしい質問をしていて(いま戦争の恐怖にさらされている人にそんなこと聞くなんて、と思ったけれど)、 でもクルコフさんは冷静に自分の考えを答えていた。 

クルコフさんは 現在もウクライナ国内にとどまっているらしい… 行く末を見届けると仰っていた。

 ***

キエフにだんだんロシアの部隊が迫っている。 EUや北欧の動きにロシアがどう反応するかが不安でたまらない、、 



21世紀の戦争は 物語とサイバー上だけにして欲しい。 




『ペンギンの憂鬱』アンドレイ・クルコフ著 沼野恭子・訳  新潮クレストブックス 2004年

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