なんだかすっかり暖かくなりましたね。 今日は5月の陽気ですって。
季節の変化に身体がついていけてないのか、 それとも一昨日が満月だったせいか、 週明けからきわめて体調すぐれず・・・ でもようやく脱したみたいです…
前々回に触れたラーシュ・ケプレル最新作品 ヨーナ・リンナ警部シリーズ第8作『鏡の男』は先週末には読み終えました。 でも、、 感想は 保留にします。 ん~~~
なんだかシリーズの番外編くらいの印象で、 これが次作までの単なる《時間稼ぎ》的なものなら本当の肩透かし、、 それとも深い意味とか意図とか、、 次作の展開を読んだ後で そうだったんだ… とぞっとするくらいの謎の謎につながるのならいいけど、、
ただの一件落着では、ね…
ヨーナ・リンナにはブルース・ウィリスにもメル・ギブソンにもなって欲しくないのよ… ハリウッド映画のパロディみたいなバイオレンスアクションなんかでお茶を濁さないで…
***
今回の事件が5年前からひそかにつづいていた事件、、 ということで その5年前くらいが設定の 第2作『契約』を読み返していました。(事件につながりは無いです) 大筋は覚えていたけど細かいところかなり忘れてた。。 こんなに複雑で大掛かりで面白い話だったんだ、、
クルーザーの船室から見つかった女性の死体と、 政府の長官の縊死、 別々の事件をさぐるうちに スウェーデンの武器輸出の闇が浮かび上がってきて、 関係者がつぎつぎ殺し屋に抹殺されていく中、 事件の鍵となるのがパガニーニの楽器を奏する弦楽四重奏団の写真。 イタリアの武器商人やら 治外法権の大使館内に逃げ込む殺し屋やら、、 なんとまあてんこ盛りの展開。。
政府による武器輸出が事件にからんでくるので 公安警察との合同捜査になって、、 それで女性警部サーガが登場するのですが、、。 シリアルキラーのユレック登場以降は こういう政治がらみの物語は無くなってしまいましたね。。 警察組織内部でのパワーゲームも随所に描かれてて このころは警察小説としてまだまだちゃんとしてた。。
スウェーデンという国は軍事的に中立の立場をとっていながら武器輸出大国で、 内戦や軍事独裁国家に対しても武器輸出が行われてきたという問題が小説の背景になっているのだけど、 (このラーシュ・ケプレル作品に限らず) スウェーデンがNATO加盟を表明して 今後、 こういうエンターテインメント小説で描かれる国際情勢も どんなふうに変わっていくのかな、、という興味は少なからずある。
第7作『墓から蘇った男』でも、 スウェーデン警察が ロシアやベラルーシの警察から情報提供を受けるという箇所があったし、 (何作目でしたっけ?)ヨーナがロシアの元KGB高官のところに行く話もありましたね、、 スウェーデンってそういう立ち位置なんだ、、と思いましたが、 ウクライナ戦争以降の世界ではまた変わってくるんだろうな。。(この作品に影響があるかはわからないけど…)
***
「最後に会ったとき、お母さんったらなんて言ったと思う? わたしの手を取って、”ヨーナを誘惑して子どもを作っちゃいなさい”って」
「母さんらしいな」 ヨーナは笑った。
・・略・・
「それは無理だと思う、って答えたら、 ”じゃあ、ヨーナのことは忘れなさい。振り返っちゃだめ。後戻りしちゃだめ”って」
ヨーナはうなずいたが、なんと言っていいのかわからなかった。
「でも、そうしたら、あなたはひとりぼっちね」とディーサは続けた。 「一匹狼ならぬ、一匹フィンランド人」
第2作『契約』のワンシーンだけど、、 これを読んでいる時には意味がわからない。。 でも、 ヨーナの過去が見えた今では意味がわかる。。 ディーサがなぜ《無理》だと言ったのか。 お母さんが言った意味も、 《ひとりぼっち》の意味も。。
こういう 《わからない》部分のある複雑さがヨーナシリーズの魅力だったんだけど…
ヨーナが孤独でなくなるのはそれは良いことには違いないよ、、 けれど ヨーナは強くなり過ぎてはいけないんだと思う、、 ていうか、 何事も無かったかのようなスーパーマンでいられる筈がないんだもの。。 死神に追われる者がその大鎌を奪い取ったとき、 自らもまた死神と化してしまうのだもの、、
それが描けるかどうかが 第8作以降を決定づける気がするんだけどな…
***
、、と なんだかんだ言って ヨーナ・リンナ・シリーズは読み続けると思いますが、、 ヨーナがあの超法規的措置で刑務所から出られたのだから、 テオドル・シャッキ検察官もそろそろ恩赦で出てきてくれないかしら、、 (笑)
テオドル・シャッキ・シリーズ(読書記>>)はその後書かれていないようですが、 ジグムント・ミウォシェフスキさんのほかの作品も読みたいな。。 ポーランド語はわからないので 英訳出版されたものを見て読みたいなぁと思ってます、、 ナチスに略奪されたラファエロの絵画とそのゆくえを追う歴史家や闇の美術商…
Priceless Paperback – English Edition by Zygmunt Miłoszewski (Amazon)
あと、、 『最後の巡礼者』(読書記>>)が面白かったガード・スヴェンさんの トミー・バーグマン刑事シリーズのその後の作品も出てるらしい、、(ドイツ語) 翻訳出ないかしら…
それから それから、、 何度も言うようだけれど 「バビロン・ベルリン」のゲレオン・ラート刑事シリーズ(読書記>>)、、 TVドラマもずっと観てましたが やっぱり本で読みたいわ、、その後が気になる、、
連続殺人鬼とかじゃなくて、 歴史と政治の闇を背景にした東欧、北欧圏のミステリ、、 どうかもっと読めますように…
季節の変化に身体がついていけてないのか、 それとも一昨日が満月だったせいか、 週明けからきわめて体調すぐれず・・・ でもようやく脱したみたいです…
前々回に触れたラーシュ・ケプレル最新作品 ヨーナ・リンナ警部シリーズ第8作『鏡の男』は先週末には読み終えました。 でも、、 感想は 保留にします。 ん~~~
なんだかシリーズの番外編くらいの印象で、 これが次作までの単なる《時間稼ぎ》的なものなら本当の肩透かし、、 それとも深い意味とか意図とか、、 次作の展開を読んだ後で そうだったんだ… とぞっとするくらいの謎の謎につながるのならいいけど、、
ただの一件落着では、ね…
ヨーナ・リンナにはブルース・ウィリスにもメル・ギブソンにもなって欲しくないのよ… ハリウッド映画のパロディみたいなバイオレンスアクションなんかでお茶を濁さないで…
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今回の事件が5年前からひそかにつづいていた事件、、 ということで その5年前くらいが設定の 第2作『契約』を読み返していました。(事件につながりは無いです) 大筋は覚えていたけど細かいところかなり忘れてた。。 こんなに複雑で大掛かりで面白い話だったんだ、、
クルーザーの船室から見つかった女性の死体と、 政府の長官の縊死、 別々の事件をさぐるうちに スウェーデンの武器輸出の闇が浮かび上がってきて、 関係者がつぎつぎ殺し屋に抹殺されていく中、 事件の鍵となるのがパガニーニの楽器を奏する弦楽四重奏団の写真。 イタリアの武器商人やら 治外法権の大使館内に逃げ込む殺し屋やら、、 なんとまあてんこ盛りの展開。。
政府による武器輸出が事件にからんでくるので 公安警察との合同捜査になって、、 それで女性警部サーガが登場するのですが、、。 シリアルキラーのユレック登場以降は こういう政治がらみの物語は無くなってしまいましたね。。 警察組織内部でのパワーゲームも随所に描かれてて このころは警察小説としてまだまだちゃんとしてた。。
スウェーデンという国は軍事的に中立の立場をとっていながら武器輸出大国で、 内戦や軍事独裁国家に対しても武器輸出が行われてきたという問題が小説の背景になっているのだけど、 (このラーシュ・ケプレル作品に限らず) スウェーデンがNATO加盟を表明して 今後、 こういうエンターテインメント小説で描かれる国際情勢も どんなふうに変わっていくのかな、、という興味は少なからずある。
第7作『墓から蘇った男』でも、 スウェーデン警察が ロシアやベラルーシの警察から情報提供を受けるという箇所があったし、 (何作目でしたっけ?)ヨーナがロシアの元KGB高官のところに行く話もありましたね、、 スウェーデンってそういう立ち位置なんだ、、と思いましたが、 ウクライナ戦争以降の世界ではまた変わってくるんだろうな。。(この作品に影響があるかはわからないけど…)
***
「最後に会ったとき、お母さんったらなんて言ったと思う? わたしの手を取って、”ヨーナを誘惑して子どもを作っちゃいなさい”って」
「母さんらしいな」 ヨーナは笑った。
・・略・・
「それは無理だと思う、って答えたら、 ”じゃあ、ヨーナのことは忘れなさい。振り返っちゃだめ。後戻りしちゃだめ”って」
ヨーナはうなずいたが、なんと言っていいのかわからなかった。
「でも、そうしたら、あなたはひとりぼっちね」とディーサは続けた。 「一匹狼ならぬ、一匹フィンランド人」
第2作『契約』のワンシーンだけど、、 これを読んでいる時には意味がわからない。。 でも、 ヨーナの過去が見えた今では意味がわかる。。 ディーサがなぜ《無理》だと言ったのか。 お母さんが言った意味も、 《ひとりぼっち》の意味も。。
こういう 《わからない》部分のある複雑さがヨーナシリーズの魅力だったんだけど…
ヨーナが孤独でなくなるのはそれは良いことには違いないよ、、 けれど ヨーナは強くなり過ぎてはいけないんだと思う、、 ていうか、 何事も無かったかのようなスーパーマンでいられる筈がないんだもの。。 死神に追われる者がその大鎌を奪い取ったとき、 自らもまた死神と化してしまうのだもの、、
それが描けるかどうかが 第8作以降を決定づける気がするんだけどな…
***
、、と なんだかんだ言って ヨーナ・リンナ・シリーズは読み続けると思いますが、、 ヨーナがあの超法規的措置で刑務所から出られたのだから、 テオドル・シャッキ検察官もそろそろ恩赦で出てきてくれないかしら、、 (笑)
テオドル・シャッキ・シリーズ(読書記>>)はその後書かれていないようですが、 ジグムント・ミウォシェフスキさんのほかの作品も読みたいな。。 ポーランド語はわからないので 英訳出版されたものを見て読みたいなぁと思ってます、、 ナチスに略奪されたラファエロの絵画とそのゆくえを追う歴史家や闇の美術商…
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あと、、 『最後の巡礼者』(読書記>>)が面白かったガード・スヴェンさんの トミー・バーグマン刑事シリーズのその後の作品も出てるらしい、、(ドイツ語) 翻訳出ないかしら…
それから それから、、 何度も言うようだけれど 「バビロン・ベルリン」のゲレオン・ラート刑事シリーズ(読書記>>)、、 TVドラマもずっと観てましたが やっぱり本で読みたいわ、、その後が気になる、、
連続殺人鬼とかじゃなくて、 歴史と政治の闇を背景にした東欧、北欧圏のミステリ、、 どうかもっと読めますように…