ポール・ニューマン監督第三作目(全部で五本)。
ニューマン夫人のジョアン・ウッドワードが主演(これでカンヌ映画祭女優賞受賞)、その娘役が二人の実娘のネル・ポッツと、イーライ・ウォラックの実娘のロバータ・ウォラックと、仲間内で固めたみたいなキャスティング。
ポール・ジンデルのピューリッツァー賞受賞の戯曲が原作(脚色 アルヴィン・サージェント)らしく、セリフ中心でじっくり芝居を見せる、日本で言うなら新劇の実写みたいな作りで、ニューマンとしてはウッドワードが「ガラスの動物園」を舞台で好演したのを記録したくて映画化したのに近いのかもしれない。だから内容は充実していて飽きないが、正直、芝居の缶詰みたいで面白みは薄い。ラストの庭に現れる娘の無言のアップの光の当て方など冴えていたが。
学術論文みたいなタイトルだが、劇中、娘が小学校で発表する、まだらキンセンカにガンマ線を当ててその量によってどんな影響が出るかという科学の自由研究のこと。しかし、大人がついているとはいえ、小学生にガンマ線扱わせるって、日本では考えにくい。
ウッドワード扮する母親が飲んだくれで身体の利かない老母を赤の他人に押し付けようとしたりする、放射能みたいな強烈にはた迷惑な人間で、こういうのにさらされて育った娘がどう育つかというテーマとかけている。どうしようもない母親役を名女優ウッドワードが気持ちよさそうに演じている。
その結論が、まともに育たなくなってしまうこともあるが、稀に美しく咲くこともあるというもの。つまり自分の成長に辛うじて希望を持っているわけ。
一方、あまりに現実がしんどいもので、ラストで繰り返される「原子」Atomといった抽象化された単位にまで思考をおとしこんでいる感もある。
(☆☆☆)
本ホームページ
ニューマン夫人のジョアン・ウッドワードが主演(これでカンヌ映画祭女優賞受賞)、その娘役が二人の実娘のネル・ポッツと、イーライ・ウォラックの実娘のロバータ・ウォラックと、仲間内で固めたみたいなキャスティング。
ポール・ジンデルのピューリッツァー賞受賞の戯曲が原作(脚色 アルヴィン・サージェント)らしく、セリフ中心でじっくり芝居を見せる、日本で言うなら新劇の実写みたいな作りで、ニューマンとしてはウッドワードが「ガラスの動物園」を舞台で好演したのを記録したくて映画化したのに近いのかもしれない。だから内容は充実していて飽きないが、正直、芝居の缶詰みたいで面白みは薄い。ラストの庭に現れる娘の無言のアップの光の当て方など冴えていたが。
学術論文みたいなタイトルだが、劇中、娘が小学校で発表する、まだらキンセンカにガンマ線を当ててその量によってどんな影響が出るかという科学の自由研究のこと。しかし、大人がついているとはいえ、小学生にガンマ線扱わせるって、日本では考えにくい。
ウッドワード扮する母親が飲んだくれで身体の利かない老母を赤の他人に押し付けようとしたりする、放射能みたいな強烈にはた迷惑な人間で、こういうのにさらされて育った娘がどう育つかというテーマとかけている。どうしようもない母親役を名女優ウッドワードが気持ちよさそうに演じている。
その結論が、まともに育たなくなってしまうこともあるが、稀に美しく咲くこともあるというもの。つまり自分の成長に辛うじて希望を持っているわけ。
一方、あまりに現実がしんどいもので、ラストで繰り返される「原子」Atomといった抽象化された単位にまで思考をおとしこんでいる感もある。
(☆☆☆)
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