「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督の八年前の前作。これがコケたものでなかなか新作が作れなかった。製作費もこれは一億ドル、新作は 1100万ドルと、ほぼ十分の一に縮小されたのだが、それでオスカーを受賞するのだからわからない。
潜水艦映画の例に漏れず見事に女っ気がない。知らなかったらこれで監督が女とはなかなか思うまい。
主演のハリソン・フォードが製作総指揮も兼ねているわけだが、どうも役者としては「ケイン号の叛乱」のハンフリー・ボガートにあたるような役どころをやってみたかったためではないかと想像する。
生粋の軍人だが、やや異常性があり、誤った判断を連発するので、命の不安に襲われた部下に拘束される潜水艦艦長という役で、副官(ここではリーアム・ニーソン)がとってつけたように艦の指揮がいかに厳しいものかと演説して変に名誉回復するあたりも、「ケイン号」と似ている。
もっとも、フォードだと異常性と艦長の責任感の二面性併せて表現するわけにいかず、敵役がとってつけたようにヒーローになるのが変な感じ。
放射能被爆による人体の損壊の描写は、アメリカ映画としては異例のリアルさ(というか、日本ではここまでリアルなメイクはちょっとできないだろう)。核に対する危機意識は元旦那よりレベル高い。
ソ連の潜水艦の話なのにオール英語で、しかもしたり顔でソ連の硬直した国家体制を批判しているのはハリウッド映画らしいいい気なもの。
(☆☆☆★)
本ホームページ
K-19 - goo 映画
潜水艦映画の例に漏れず見事に女っ気がない。知らなかったらこれで監督が女とはなかなか思うまい。
主演のハリソン・フォードが製作総指揮も兼ねているわけだが、どうも役者としては「ケイン号の叛乱」のハンフリー・ボガートにあたるような役どころをやってみたかったためではないかと想像する。
生粋の軍人だが、やや異常性があり、誤った判断を連発するので、命の不安に襲われた部下に拘束される潜水艦艦長という役で、副官(ここではリーアム・ニーソン)がとってつけたように艦の指揮がいかに厳しいものかと演説して変に名誉回復するあたりも、「ケイン号」と似ている。
もっとも、フォードだと異常性と艦長の責任感の二面性併せて表現するわけにいかず、敵役がとってつけたようにヒーローになるのが変な感じ。
放射能被爆による人体の損壊の描写は、アメリカ映画としては異例のリアルさ(というか、日本ではここまでリアルなメイクはちょっとできないだろう)。核に対する危機意識は元旦那よりレベル高い。
ソ連の潜水艦の話なのにオール英語で、しかもしたり顔でソ連の硬直した国家体制を批判しているのはハリウッド映画らしいいい気なもの。
(☆☆☆★)
本ホームページ
K-19 - goo 映画