ドジな強盗がケガして逃げ込んだ家の主人を人質にする監禁ものになるかと思わせて、実はその主人がとんでもないサイコ野郎で強盗の方がさんざんな目に合わされるというあたりは相当に痛快、主人が他に招いたと思い込んでいる妄想のゲストが強盗とパーティで一緒にいるイメージカットと、二人だけでぽつんといるカットが交錯する狂騒的なタッチも楽しめる。パーティだけよりもっとクレイジーな感じになる。
主人役のデヴイット・ハイド・ピアースの怪演は見もの。
ただ前半アクロバティックな連続技を決めてそのままフィニッシュにまでなだれ込んでくれたらよかったのだが、後半意外性を狙いすぎたのか、いささかムリが出るのは惜しい。強盗がその家に来たのは偶然ではなかったのか、とか、強盗とわかってから工作したとしてそんなにうまくいくのか、といった疑問が次々出てきて、ばたばたっと意外な展開を見せるのはいいとして、かなり置いてけぼりにされた気分になる。
「ソウ」のプロデューサーというのが売りだったけれど、よっぽどびっくりさせるのが好きらしい。
(☆☆☆★)