prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」

2015年04月29日 | 映画
冒頭のなんとものんびりした昔ながらのアフリカの生活にいきなり近代的な武器で武装した連中が襲いかかってくるコントラストが強烈。

アフリカのスーダンで前近代的な生活をしていた人が近代文明とぶつかるというモチーフはヘタすると「ブッシュマン」みたいな近代側から前近代の戸惑いを笑うことになるだろうけれど、この映画は多分今のポリティカル・コレクトネスの水準を示すことになるだろう。かなり気を使っている感じではあるが、それでもひっかかるところはある。

気になるのが最初は現地のおそらく部族の言葉を使っていたのが途中から英語で通していることで、調べてみるとスーダンの公用語はアラビア語と英語だが英語は高等教育用で、各種の現地語はすべて公用語として尊重されなくてはならないと憲法で定められている。難民たちが高等教育を受けているとは考えにくいし画面を見てもほど遠い。
アメリカ映画だと英語を使わないわけにいかないみたい。

出演者は実際のスーダン難民だそうで、本当かと思うくらいアメリカに溶け込んでいる感じで、芝居も堂に入っている。

工場で形を見れば組み立て方がわかるものなどすらすら組み立ててしまったり、決して無知でも知能が低いわけでもないのがはっきり示されている。一方で、賞味期限切れではあってもまだ食べられる食べ物をなぜ捨ててしまいホームレスにやるのも禁じるのか理解できないというあたりはよくある設定ではあるけれど、やはりおかしな話であることを改めて考えさせる。

世話役のリーザ・ウィンザースプーンの家のぶっ散らかりぶりが笑わせる。アメリカの住宅事情だからあれくらいで済んでいるが、ゴミ屋敷一歩手前みたい。

9.11が起きてからスーダンが昔オサマ・ビンラディンが匿っていたのを捉えてテロ支援国家のレッテルを貼られ、故郷に残してきた家族を呼び寄せるのにストップがかかってしまうという展開がなんともやりきれない。

タイトルになっているグッド・ライ(良い嘘)というのは、マーク・トウェインのハックルベリー・フィンの冒険というアメリカの原点みたいな小説の一節からとられているわけだが、それが思いがけない形で生きるラストが印象的。
(☆☆☆★)


本ホームページ


グッド・ライ~いちばん優しい嘘~ 公式ホームページ

グッド・ライ~いちばん優しい嘘~@ぴあ映画生活

映画『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』 - シネマトゥデイ

4月28日(火)のつぶやき

2015年04月29日 | Weblog

フィンランド国立バレエ団がムーミンをバレエ化。一流ダンサー達ほぼ全員着ぐるみ。着ぐるみが十八番なのは英国ロイヤルだけど(ピーターラビットとか)、これはシュールさが違う。ニョロニョロの破壊力。怖えぇぇよ!! pic.twitter.com/gEO2TMtUPu

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 20774 RT

【本棚登録】『日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫)』竹村 公太郎 booklog.jp/item/1/4569761…


【これ聴いてます】馬思聡:ヴァイオリンとピアノのための作品集 2 (顧小梅/魯寧) ml.naxos.jp/album/8.570605 #nml


不謹慎かしれないが、岡田准一主演の「神々の山嶺」の撮影はどうなるのだろうか。3月から撮影は始まっているというが。 #ss954


政府が潰したい番組をやっているということは放送局としてみれば名誉でしょ。 #ss954

1 件 リツイートされました

半導体と神経を直接接続して電気信号を伝えるのも実験的には成功しているはず。 #ss954