口をきかない代わりにLINEで言いたいことを打ち込んで送るというのだからずいぶんややこして人で、アニメにしないで実写でも可能に思える内容なのだが、実写にしたらウザくなりすぎるかもしれない。
実際に言いたいことを口にしてみたら、それまで重苦しく感じていたのに対して拍子抜けするくらい少ない言葉で済んでしまう、というのがリアル。
きっかけになるのが既成曲に新しく歌詞をつけたミュージカル上演で、ジャンルを横断して古めの感じの曲が並ぶ選曲、「80日間世界一周」だの「虹の彼方に」が出てきたのには正直驚いた。
その上演のクライマックスでジャンルも国もまるで違うふたつの曲が同時に平行して演奏されて、それでつかず離れず一致するクライマックスが素晴らしく、音楽処理のセンスに感心する。
上演を担う生徒たちの人選をかなりC調の教師が一方的に決めるというのは一種の無茶といえば無茶なのだが、だからしれっとして「ミュージカルには奇跡が起きる」というのに妙に納得させられてしまう。
「桐島、部活やめたってよ」に似た感じの地方の高校の雰囲気を伝える背景美術が素晴らしく、それぞれのキャラクターの細かい描き込みもよくできている。
(☆☆☆★★★)
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映画『心が叫びたがってるんだ。』 - シネマトゥデイ