船体が中ほどでぽっきり折れてしまったタンカーが簡単に沈没せずしばらく浮いていて、その間なんとか砂州に乗り上げるように誘導するのと、沿岸警備隊が嵐を押して強引に出動して駆けつけるのとの両方を同じくらいのウェイトで描き、そこに沿岸警備隊隊長の婚約者のエピソードが絡むという構成。
半分に折れてもこの頃(1951年)の大型船だとタイタニックと違ってしばらくは浮いていられる構造になっているらしい。
ヒーローを一本化せず警備隊隊長とタンカーでそれまで目立たないでいたが冷静な判断を下してリーダー格になる船員との二本立てにしているいるのも、現実的。
スターといったらクリス・パインだけなのだが、嵐がものすごいからあまり目立ちようもない。
他の俳優たちも全体に地味でメイクや衣装も当時のややくすんだ感じをよく出している。ヒロインがいきなり熊のぬいぐるみ扱いされるというのも珍しい。
嵐の映像や音響はいうことのない出来。大波を警備艇が乗り越えるのを海の中から捉えたカットなど自由自在という感じ。
救出作戦の山場が夜になっていてよく見えないのも地味な印象を強めるが、代わりに無事帰港した時に人々の車のライトが迎えてくれるのが効いた。
(☆☆☆★)
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