恐竜がしゃべっていて、人間がすでに現れているのだが言葉は持っていないという逆転した世界だが、意外なようで見ているうちに驚かなくなってくる。
両方に共通しているのが「家族」というのがディズニー製(正確にはピクサーだが)らしい。
農業に使う川が恐竜が住んでいるそばを流れていて、この水をはじめとした自然現象のCGがすごい。ほとんどネイチャー・ドキュメンタリーではないかと思わせるレベルで、川の透明感や深さによるグラデーションまで表現している。
タイトルにdirecter of Photographyつまり撮影監督という実写映画の撮影責任者に使う職責がクレジットされる。具体的にどういう仕事をしたのかわからないが、光の表現、光の物理的性格は正確に数量化できるはずで、デジタルでも本格的にMasters of Lightが登場してきたということかもしれない。
出ている恐竜が実物の姿(というか一般的なイメージ)とはちょっとずれていて、プテラノドン(翼竜)がギャオスと見紛うばかりに凶悪で貪欲だったり、ティラノザウルスがちょっと太めだったり疣が出ていたりと、少しづつグロテスク。
「恐怖と戦う」というのが重要なモチーフになっているのと対応しているのと、この地球にいたのとはまた違う恐竜という設定からだろうか。
併映の短編がインド人の少年を主役にしてインドの神様をキャラクターにして監督もインド系というのはディズニー初だろうが、PC上の成果というだけでなくインド式の色彩のけばけばしさがCGアニメで映えた。
(☆☆☆★)
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