たとえば仕事も収入も財産もない相手に金貸したら焦げ付くに決まっている(映画にも出てくるがNo Income No Job and Asset=NINJAローンなどと呼ばれた)とか、格付け会社などといっても結局会社から金もらっているわけで格付けを下げたら客が逃げてしまうので手心を加えるのが当たり前とか、ウォールストリートジャーナルといったジャーナリズムといっても大きく見ればお仲間であって本当にまずいことは書かない、といったシステムの腐敗ぶりは今更だけれど具体的に見せられると改めてげんなりする。
複雑な、アタマが良くなければわからないようなところがもっぱらゴマカシと詐術に使われているのが悲劇、というよりあまりにひどすぎて笑えない喜劇になっている。
そういったおかしなところをおかしいとわかった連中たちの話なのだが、それぞれがばらばらで(ポスターデザインだとチームで行動しているみたいだが、実際は顔も合わせない)、警告もできなければ失敗を次につなげることもできないというあたりはおよそ救いがない。
結局経済システムの力学はそれ自体が勝手に動き続けて誰もそこから逃れられないという結論になる。国の関与も限定的なものでしかない。
俳優たちはドラマ上のキャラクターというより大きな状況上の駒になりきらざるをえないのだが、それでもそれぞれの変人ぶり、はみだし人間ぶりはきっちり見せるところに腕を見せる。
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マネー・ショート 華麗なる大逆転@ぴあ映画生活
映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』 - シネマトゥデイ