ライブの最中に突然、吉井和哉が声が出なくなりうがいをしたり加湿器に口を当てたりしている間、周囲も(おそらく聴衆も)焦った顔を見せずに囲ん、そして再開するところからぱっと解散時期についての吉井のインタビューにつなぐのが示唆的。おそらく解散している間も同じようにふつうに過ごしていたのではないかと思わせる。
何度かバンドのメンバーを「家族」と呼んでいるが、あるいはツアーの様子がほとんど修学旅行のような仲のいい男子たちが騒いでいるみたいに楽しく見えたりする。
何度か監督がインタビューしているところがあるけれど、写ってはいても後ろからだったり影だったりで「市民ケーン」の新聞記者みたいにほとんど顔が写らないので主観と客観の間を揺れている不思議な印象。
冒頭の代々木の再結集ライブに集まった客に子供連れや妊娠中の女性がいるのをピックアップするのと対照するように、エンドタイトルでは解散している時期に生まれたのでおろう子供たちがイエロー・モンキーの曲を歌っているところを見せるのが、いかにも歌が受け継がれている感じを出した。
曲の大半が途中でカットされているのでもっと聞いていたい気分になるが、曲そのものを聞かせるのが第一義ではないのだろう。
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