prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「追想」

2018年09月12日 | 映画
なんともいえない痛みを感じさせる映画。痛い、とはもちろんイタい、ではなくメランコリックというか悔恨というか、どうしようもないすれ違いや理解の難しさに伴うある痛切さはなるほど同じイアン・マキューアン原作、シアーシャ・ローナンのつぐない」と共通する。

原題はOn Chesil Beach。映画の「追想」とも原作小説の邦題の「初夜」とも違う、かなりぶっきらぼうなタイトル。
浜辺が外海と内海を区切っているみたいな

初夜とはなんだか古式ゆたかな表現だが、シアーシャ・ローナンはどこか古めかしい世界によくはまる。
夜ではなく昼間だが、披露宴は完全に描写としてオミットして、新郎新婦が泊まるホテルに食事を運んでくるボーイの態度の悪さからして何かいやな予感がする。

回想でふたりの生まれ育ちの違いを見せていく中、かかる音楽がマーク・ボランの「20センチュリーボーイ」といったロックとモーツァルトやシューベルトといったクラシックが同居するのが、時代の変化と共にふたつの世界を表わす。

「追想」公式ホームページ

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9月11日(火)のつぶやき

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