いったん「完」と出てから(そういえば「完」とか「終」とか「The End」ときちんと出ることなくなったなあ。「おしまい」と出すのは宮崎駿くらいだろうか)、続きがあるというのは理解に苦しむ。
しぶとく生き延びているという表現にしては弱いし。
山田孝之と佐藤健が兄弟というのも凄いキャスティング。役柄もまるで対照的なようで意外と狂気がかっているのは弟の方だったりする。
ビンボ臭さの匂うような表現が相当なもの。どの部屋の中もぶっちらかっている、その散らかり方がリアル。
重要な舞台になる廃工場にして荒廃の美というわけでもない、安さがまとわりついている。
脇役のひとりひとりまで何か体臭のようにビンボくささがまとわりついていて「美人でも不美人でもない」と形容される女(石橋けい)など、まったくそういう感じに作っている。
昔の表現でいう世を拗ねた男が右翼に接近するというのはかなり説得力があるけれど、その右翼のシケていること。
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