大泉洋の芸達者と能天気な感じが、およそ可哀そうな障碍者がけなげに生きていく泣かせる映画からむしろ対局に来た。
冒頭、砂時計のアップから始まるので、限られた命の象徴=砂時計が壊れるところで終わるのかと思うと、そこからがむしろ第二エンジン発射という感じで次の段階に入り、病状が悪化してからの闘病が悲壮ではなく
難病ものだから亡くなるところで終われば座りがいいのだが、そうはさせるかという感じでボランティア二人がどう生きていくかの話にバトンタッチする。
主役三人(大泉洋・高畑充希・三浦春馬)のアンサンブルが秀逸。
北海道の広さを生かした撮り方をしていて、風土の開放感が主人公鹿野の生き方になっている。雪に埋もれているところは出てこなかったのではないか。
生活費はどこからどう出ているのか、気になった。
しかし、障碍者ものもずいぶん進化したと思わせる。
親の世話になっていないのが、期せずしてなのかどうなのか障碍者の世話は家族がするのが当たり前という「常識」の押し付けに対するアンチテーゼになっている。
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