ベタなのを恐れないベタぶりで、クライマックスで演奏されるのがチャイコフスキーのピアノ協奏曲というのも、ど直球。
イ・ビョンホンがむさい髭を生やしてビラ配りで小遣い稼ぎをしている冴えない顔を見せ、格闘技のシーンでもプロとしてやってきたであろう鍛えたところは見せる一方で抑えが効かず暴走してしまう未熟さもきっちり見せる。
弟役のパク・ジョンミンが表情は緩いまま手先は驚くべき器用さでピアノの盤面を走り回るのを見せるなりきりぶり。
金持ちとそうでない者たちとの生活の贅沢さとのコントラストをきっちり見せ、かといって一面的に金持ちを悪く描いていない。
とにかく救いがたく最低なのは家族に暴力をふるっていた今は刑務所にいる父親で、このクズをビョンホンが罵倒するあたりが、愛情物語の面とは別にぐっとくる。
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