prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「喜望峰の風に乗せて」

2019年01月19日 | 映画
冒険航海ものみたいな邦題(原題はThe Mercy=慈悲、情け)と宣伝デザインからはちょっと想像もつかないストーリー。

ハンサムで人当たりがいいので誰からも好かれるが有能とはいいにくい男が当人の調子のよさと周りに乗せられたのとで経験もないのにヨットの無寄港航海レースに参加するが、海ではもちろん誰も助けてくれずあっという間に挫折し、しかし今更戻ることもできず無線でウソの航海記録を陸の家族や新聞社や後援会とやりとりしながら大海原をうろうろし続けるという話。
だから実際はちっとも喜望峰をまわっていない。

海を舞台にした「カプリコン1」の実話版みたいな感じもある。
GPSのない時代ならではで、今だったらこんな誤魔化しは当然通用しないが、同じ時期に月に人類が降り立つというニュースがちらっと流れたりして、実はアポロは月に行っていないといった陰謀論もあったのを思い出させる。

海で帰るに帰れずひたすらレースが終わってほとぼりが過ぎるのを待つが状況はどんどん悪くなる追い込まれ方と、普通の遭難ものとは違っておよそ前向きにはなりようのない後悔にさいなまされる絶望感が漲る。

海の真ん中に投げ出されている生理的な実感の出し方、ヨットの軋みが細かく入っている音響効果が秀逸。

「喜望峰の風に乗せて」 - 公式ホームページ

「喜望峰の風に乗せて」 - 映画.com

1月18日(金)のつぶやき その2

2019年01月19日 | Weblog

1月18日(金)のつぶやき その1

2019年01月19日 | Weblog