prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「フロントランナー」

2019年02月11日 | 映画
主人公のゲイリー・ハートは大統領候補なのだから当たり前のはずだが、移動時間でもまめに政策についてのメモを書いている。腕時計をしている左手で書いているので調べてみたらヒュー・ジャックマンは左ききなのだが、役のゲイリー・ハートはどうだったのだろう。今の政治家だったら選挙対策ばかりでその後どうするのか、まともに考えているのかと思ってしまう。

ハートだけでなく周囲のスタッフ、記者たち、それも高級紙とゴシップ誌の双方にわたってキャスティングが知名度とは別にみっちり目が詰まったようにそれぞれの役を果たしていて、毎度のことながらアメリカの役者の層の厚さを見せつける。

ジャックマンがやっていると自然に好感度が上がりそうなのを抑えて選挙戦ですらやたら愛想を振りまかず何かバリアを張っているような感じを出した。
一人に集中せず他のキャラクターたちの立場や感情もすくいとっているわけだが、その分単純に特定の人物に感情移入して見ていけばいいわけではないので、視野の広さとひきかえにややとっつきにくくなった。

必ずしも記者たちが全部頭からゴシップを追うわけではなく、優先順位がおかしくないですかと正論を唱えていた黒人記者が記者会見でゴシップの核心を質問するに至るメディア内部の競争、力学といったものがかなり出ている。

アルフレッド・モリーナが、これまでの「大統領の陰謀」のジェースン・ロバーズ、「ペンタゴン・ペーパーズ」のトム・ハンクスとは外観だけでなく相当にジャーナリストとしてのイメージが違うワシントン・ポストのベン・ブラッドレー役を演じているのがおもしろいところ。

「フロントランナー」 - 公式ホームページ

「フロントランナー」 - 映画.com

2月10日(日)のつぶやき

2019年02月11日 | Weblog