prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「戦艦ポチョムキン」

2019年02月03日 | 映画
スクリーンで見るのはずいぶん久しぶりだが、やはり面白い。社会主義国が事実上消滅してもなお面白い。社会主義が登場する基盤になった持てる者と持たざる者との隔絶は一向になくなっていないのだから。

前半で帆布を見せしめに処刑しようとする水兵たちにかけて個々の「顔」を消してしまおうとするのに一人の水兵が敢然と反旗を翻すところから叛乱が始まるのだが、終盤の他の戦艦との戦闘準備では再びほとんど個々の顔は消失して戦艦のメタリックな物質感が画面の大半を占め、ハードで無機質な機械の感触には少し前のイタリアの未来派のような美的感覚がある。

前半では全体から個に向った、後半では個から全体へと、方向としては逆なのだが画の構成としては近似するのが、(ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために)という個と全体の止揚ということになるのだろう。
モンタージュ理論があまりに有名なのだが、個々の映像の造形美と迫力もまた今も色あせない。

両脚のない男や赤ん坊などをオデッサの階段に入れて、リアルな調子の中で虐殺の残酷さを強調するデフォルマシオンを混ぜる技法。

二本立て名画座の早稲田松竹は途中入場可だが、二重扉を採用して場内を真っ暗に保つようにしている。実は今みたいにきれいに改装する前から場内の暗さにはこだわっていて、最初に途中入場した時あまりに暗いので立ちすくんだもの。

予告編がないのは物足りなかったが、余計なCMや映画泥棒が流れないのはまことに結構。



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