正編のアニメとの合成は当時としては最高度の技術だったろうけれど今だったらもっと高度な技術を見せつけることもできたろうが、合成の対象が海の中であったり器に描かれた絵といった立体であっても3Dに寄せないで正編に近いルックでまとめているのが伝統というか連続性を大事にしていて好ましい。
正編の煙突掃除夫のダンスはガス燈をつけたり消したりする人(日本では点消方といったらしいが、イギリスでは何というのだろう)のハシゴを生かしたダンスに、とやはり連続性を持たせながら振り付けも撮り方も強いて前作との違いを打ち出さず、それがミュージカルらしい明るさにストレートに結びついた。
昨今はミュージカルといってもどこかしら暗さやひねったところが混ざるが、前作との結びつきが逆に希望や明るさにつながっている。それが最高潮に達するのがクライマックスの趣向。
エミリー・ブラントの喋り方、声質やアクセントがまるっきりジュリー・アンドリュースそっくりでびっくりした。
強いて残念なところを言うなら、歌曲が前作ほどにキャッチーで覚えやすくはないことだろうか。ところどころに前作の曲が小さく流れる分、かえってそう思えてしまう。
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