prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ライオン・キング」

2019年09月09日 | Weblog
同じディズニーの「ジャングル・ブック」のメイキングで、動物たちのCGを文字通り骨格から筋肉からいちいち作ってかぶせたり張り付けたりする解剖学的な綿密さで作っていくのを見て一驚したが、今回のCGは一段とリアルになっていて知らないで見たらほとんど確実に本物の動物をどうやってか動かして撮ったと思うのではないか。

撮影が「ナチュラル」「ライトスタッフ」「グース」などの斜め逆光気味の光の処理が印象的なことが多い名手キャレブ・デシャネルで、実際あれらと共通する画調を作っているのだが、どこからが実景でどこからがCGなのか、およそわからない。

一方でミュージカル仕立てなので動物たちが歌うのだが、その口の動きがおそらく実際には不可能なくらい自由に動いて発音に合っているというのも何か変。

変といったらオリジナルの絵のアニメからしてそうなのだが、「サークル・オブ・ライフ」とかいってすべての動物は同等で調和をなしているとでもいったエコなこと言ってる一方でライオンが王様として動物たちを治めているっておかしくないか。
さらにライオンはとうぜん肉食で動物を殺して食べなくてはいけないのを、残虐なシーンは描いてはいけないディズニールールに従い強引にも外して虫を食べることにしてある。虫だって生き物だと思うけれどね。
エコとエリート主義と残酷排除と各方面に気を配った結果、世界観がおよそ矛盾だらけ。

先王のライオンの声を演じているのがアニメ版と同じジェームズ・アール・ジョーンズ。25年ぶりで御年88歳。ダース・ベイダーの声で有名。たしかガンの告知を受けて舞台の仕事はしなくなったと聞いた気がするけれど、なお仕事を続けているのはうれしい。




8月9日のつぶやき

2019年09月09日 | Weblog