prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「きみの瞳(め)が問いかけている」

2020年12月08日 | 映画
チャップリンの「街の灯」をモチーフにした韓国映画が原作というのを見る前に知っていたのは、この場合いい方に転んだ気がする。

主人公二人の縁というのが随分と偶然性が強いことや、男の方が裏社会に関わっているあたり、クサいと感じそうなところが、こういうとなんだが韓国原産ならいいかという気分になる。

吉高由里子の盲目演技が目が見える人の表情を出していたので初めから目が見えなかったのかなと思ったら果せるかな大学を出る頃に失明したのがわかるので、この作り手は信用できるかなと思った。

キックボクサー役の横浜流星の身体と動きがそう見えるのも立派だなと思ったら、調べたら中学の時に極真空手の世界大会で優勝したというから、なるほどと思う。

ラストにかけていくつも布石として置いていた小道具を回収しているのがひとつひとつ丁寧すぎて間延びするのは残念。
比べるのもなんだが「街の灯」のラストの簡潔さと余韻は見事だったと改めて思った。