prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢」

2020年12月25日 | 映画
どこかで見たようなパターンの話だな、と思いながら見ていて、見終えてから思い出した。
「ワーキングガール」だ。
ケヴィン・スペイシーがまだ無名でワンシーンだけのセクハラ男(!)役で出ている頃の映画だから、随分前。

というか、この映画の主演のダコタ・ジョンソンは「ワーキングガール」の主演のメラニー・グリフィス(とドン・ジョンソン)の実の娘とわかってちょっとびっくり。奇遇というべきか。

若い女性がぱっとしない境遇とやる気のミスマッチが過ぎてボスの目を盗んで自分の仕事を勝手に進めてしまいうまくいきかけたところで、というところは一緒。

ただ各キャラクターの性格付けは大きく違う。
ボスが成功者でパワフルな女性というところは一緒だが、ここでは40過ぎてヒットアルバムを出せないでいる黒人の大物女性歌手で、あとはドサ回り的に往年のヒット曲を歌ってまわるしかない、といった悩みが書き込まれて、悪役的な扱いになってもおかしくない(事実「ワーキングガール」のシガーニー・ウィーバーは仇役だった)ところを幅と膨らみのある役になった。

対するヒロインは付き人からプロデューサーに進出しようとするので、ボスにとって代わろうというのではない。
余談だけど、音楽業界におけるプロデューサーの役割って素人には正直わかったようでわからない。
自分で曲も作れるし歌えるのになぜという感じはする一方で、自分は自分はより人を助ける方が楽しいというのもわからなくはない。

ともあれ、かなり堂々とした偶然も含めて、あまりイヤな人間が出てこなくてハッピーエンドというのは、昨今ありがたい。

映画の内容や評価とはまったく関係ないが、DJ役のビル・プルマン(お久しぶり)が持っているLPがはじめフリートウッド・マックの「噂」だったのがカットが変わると別のになっている。かなり堂々としたヘマ。

歌手にとってラスベガス行きというのが、日本でいうドサ回りというニュアンスで使われているのが意外だった。