prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ワンダーウーマン 1984」

2020年12月26日 | 映画
悪役があからさまにドナルド・トランプなのだけれど、比べると卑劣さ嘘つきぶりがまだ甘いわけで、あれくらいで反省するようなタマかと現実のトランプが混ざってしまうのは良し悪し。

核心になる願いをかなえる石の扱いが混乱していて、どういうルールで働くのか、そのルールを悪役がどう裏をかくのか、というあたりがあれ?と考え直して整理する必要が出てくるのはちょっと困る。

もうひとりの悪役というか、あこがれ転じてダークサイドに落ちるバーバラ役の最後がどうなったのか次に続くにしても曖昧すぎ。

空を飛ぶのに初めはジェット戦闘機を使うのが、ムチを使い、ついには風に乗って飛ぶクリストファー・リーブ版のスーパーマンをあからさまに思わせる飛行ポーズに至るのが、ストレートなヒーローイメージを体現する。

最初の方に出てくるテレビがSONY製というのが、いかにも1984年。




「エイリアン パンデミック」

2020年12月26日 | 映画
聞くだに安いパクリものみたいな邦題だが、原題はIsolation(孤立)とあるように、人里離れた牛舎が舞台。

そこで飼われている牛に何者かが取りつき牛以外の生き物を産むという「ローズマリーの赤ちゃん」の牛版みたいな話。

話だけだとますますパチモノだが画面作りが本格的で、予算の関係もあるから「エイリアン」ほどではないにせよ、靄がかかった画調や泥や水の質感などかなり美術的。

調べると監督のビリー・オブライエン Billy O'brienは Royal College of Art in Londonの出身。つまりリドリー・スコットの後輩にあたる。短編やCM作りをしていたのも一緒。
出演者は知らない人ばかりなので次に誰が殺されるかわからないのも一緒。