何度も米アカデミー賞でスタント部門の賞を作ろうという話が浮上しても未だに作られていない。
もともとスタントはスターではない他人がやっていることがあまり目立っては困るから、業界としてはあまり注目されてほしくないという事情があるわけだが、ただでさえそういう差別があるところに女性差別が加わるのがスタントウーマンの世界ということになる。
ただここに出てくるスタントウーマンたちは基本的に実にタフで明るい。というよりタフでなかったら生きてこられなかっただろう。
女同士で仲良くだべっている感じと共に、ケガした場合の実に深刻な話が交錯する。
得意分野、たとえば炎をかぶるなどのスタントの技を持つことが売れる=生き残るために必要なのもプロの世界ならでは。
代わりにスタントを演じるスターたちと並んだ写真がいくつも重ねられるところがあるが、スタントマンとは別のスタンドイン(立ち位置や照明を決めるためにスターの代わりにカメラの前に立つ代役)の存在も見てみたい気がした。けっこう似ているのです。
女性スタントの歴史がほとんど映画創世記からあるのがわかる。