3時間半というのはちょっと前のインド映画だったら驚くほどの長さではなかったかもしれないが、最近経済成長で忙しくなったせいか短めになってきている中ではいささか長い。
主人公の青年がボディビルダーとして成功したのを足掛かりに化粧品メーカーのイメージキャラクターになり、さらに映画の主演に抜擢されるが芝居があまりにド下手なもので主演女優が本当に恋しているふりをしろと言い含められ、というあたりで通常の映画のお話一本分はゆうにあるが(文字通りお花畑をバックにして歌と踊りもあり)、さらに「オペラ座の怪人」か「ノートルダム⋅ド⋅パリ」のような醜い姿にされた男の復讐譚になるのだから画面もお話もずいぶんクドい。
特殊メイクの姿というのはあんまりえんえんと見せると作り物っぽさが目立つもので、隠しながらちらちら見せる邦画効果的でなかったかと思う。
原題のiというのは劇中に出てくる化粧品のブランド。