昨日に引き続き、レンタルビデオ店閉店につき未配信映画を借りて見た。
在日の女性監督ヤン・ヨンヒが朝鮮総聯の幹部であるアボジ(父親)を撮ったドキュメンタリー。
本気で金日成を敬愛しているのに見ていて引くが、肉親としての視線で捉えられると簡単に排除はできないのが複雑な味わいを残す。
万景峰号の内部が見られる。テレビだともっぱら禍々しいイメージに映るが、在日の家族から北朝鮮へ送られる段ボール詰めの物資を積んでいるのを詰めているところから続けて見ると(「月はどっちに出ている」にも出てきた)、違う印象を受ける。
とはいえ一方でおなじみの北朝鮮の変なところも自然に写り込んでくる。港に近づくと「電撃戦」「殲滅戦」といった海に向かった看板がビルに掲げられているあたり何でしょうねと思う。
北朝鮮の子供が「アメリカにもノーベル平和賞受賞者いるのね」とか「私も何年後かには取る」というのにはちょっと驚いた。
在日でゲイのドキュメンタリー映画作家中田統一 が父親を撮った「大阪ストーリー」があったが、長男でありながら家業のパチンコ屋を継がずに映画の道に進んでしまったことにかなり疚しさを感じているようだったが、ここでは監督が娘のせいかそういう感じはない。
撮る=撮られる関係が肉親としての関係にかぶって、両親を撮ること自体葛藤はあるだろうが
アボジは年取るとかなりたるむけれど若い時イケメンなんだな。北に渡った兄たちも若い時はイケメン。
それがずいぶん変わってしまうのは時の重さだけではないだろう。